冬も本格化し、寒さが身にしみる日が続いている。どれだけ部屋を暖かくし、どれだけ服を着込んだとしても、やはり下半身が冷えるという方もいるのではないだろうか。
そんな方たちにとって救世主的商品がサンコーレアモノショップから発売された。その商品は、『おひとりさま用着るこたつ「こたんぽ」』。「着るこたつ」と聞くと、あの重くて大きいこたつ布団をかぶるのかと想像してしまいそうだが、口コミを見る限りどうやら軽くて暖かい、まさに冬場には最適な優秀アイテムらしい。
だが、いくら暖かいとはいえ、いくつか疑問が浮かぶ。毛布の中にはヒーターが入っており、コードで繋がれているようだが、座っているとき邪魔になったりしないのだろうか。また、この商品を着用しながら移動できるとのことだが、動きやすいのだろうか。ほかにも「こたんぽ」の利便性に関する疑念が拭えない。
そこで、今回筆者が実際に「こたんぽ」を使用し、使いやすさや暖かさなどを検証していく。
かなり暖かく温度調節やタイマー設定もできて便利
さっそく商品が届き「こたんぽ」を広げてみた。上部についているポケットの中にはリモコンが収納されている。本体重量は約1980gとのことだが、持ってみた感想としては意外と軽いという印象。
サイズは縦約1m29cm、横約48cmと、こたつとして考えるとかなりコンパクトなサイズ感だ。本物のこたつを動かすよりも、重さや大きさの観点ではこちらのほうが断然負担はかからないだろう。
本体の側面についているファスナーを開けると、中には触感の良いファブリックに包まれたヒーターが入っていた。ヒーターは「こたんぽ」の中に入っているときは身体の前面にくるようだ。つまり座ったとき、膝の上から足首辺りにかけてヒーターが直接乗っかるため、常に足全体がポカポカになるということらしい。
また、ヒーターには6カ所、本体とヒーターをつなぐボタンが付いているため、本体の中でヒーターがずれる心配はない。本体を洗うときは、このヒーターを外して手洗いで洗濯することができるとのこと。
では、いざ「こたんぽ」の中に入ってみる。実際は“着る”というより“履く”という感じだ。両サイドについているファスナーを下げて履くことで、下半身からすんなり入れる。すると、モコモコの毛布が足全体を包んでくれて、履き心地は最高。本体は起毛素材になっているため、暖かさが持続するように作られているそうだ。また、電源コードを収納してあった胸元あたりのポケットは、使用中は冷たくなった両手を暖めるためのポケットにもなる。
ヒーターのリモコンの下部には電源ボタン、タイマーボタン、温度調整+ボタン、-ボタンの4つのボタンがある。
電源ボタンを押して電源オン。温度調節用ボタンの+を押すと設定温度が上がり、-を押すと下がるというシンプルな仕様。温度は30℃、33℃、36℃、39℃、42℃、45℃に設定できる。設定したあとも、リモコン画面には常にヒーターの温度が映し出されるため、通常のこたつよりも温度調整が便利に感じた。
タイマーボタンでヒーターを切る時間を設定可能。タイマーは30分、60分、90分まで設定できる。タイマーを設定しておけば、つけっぱなしでその場を離れてしまったり寝てしまったりしたときも、消し忘れの心配がなくなるだろう。
しかし、実際に使用してみると最大の問題点が発覚。それは足先が暖まらないという難点だ。確かにヒーターと接している部分はポカポカと暖まるのだが、足先部分にヒーターはない。また、足を出して移動できるように商品が作られているからか、その隙間から冷気が若干入ってくるため、いくら保温性が高いとはいえけっきょく足先は寒かった。特に末端冷え性の方はこの点を不満に思うのではないだろうか。
「こたんぽ」を履いたままの移動は正直イマイチ?
履きながら移動できるところも、この商品の強みとして謳われていたので、「こたんぽ」を着用したまま歩き回ってみることに。面ファスナーでフィット感を調整できるようになっているのだ。
そして、ヒーターにはコードとヒーターを繋ぐ大きなソケットがついているのだが、ソケットが大きい分、立ち上がって移動したいときすぐに取り外しができて便利。ただ、動こうとしたとき、いちいちコードを外さなければいけない煩わしさはあるので、面倒に感じるときもあった。
コードを外した状態でどれぐらい保温効果が持続するのかも気になるところだろう。コードを外して立ち、しばらくコードを繋がない状態で過ごしてみた。すると、暖かさは1時間以上持続し、保温性の高さを実感。
だが、面ファスナーでフィットするように調節したとしても、ウエストサイズにもよるかもしれないが、下にずり落ちてしまい動きにくい。面ファスナーをきつめに調整すると、今度は足の可動範囲が狭くなるため、やはり動きにくかった。
「こたんぽ」を履きながらいろいろ動いてみたところ、飲み物や本を取りにいくときなど、短距離・短時間の移動であればさほど問題はないが、キッチンで料理をしたり、階段を上り下りしたりといった場合は適していないという結論に至った。
少々厳し目に評価した部分もあるが、商品の斬新さには脱帽だ。保温性抜群で、温度調節やタイマーの設定も簡単、使用した後もくるくる丸めてしまっておけるので収納スペースもさほど取らない。リモートワーク中やソファでほっと一息付きたいときにはぴったりなアイテムだろう。
(取材・文=海老エリカ/A4studio)