“猫ブーム”真っただなかの昨今、SNS上で毎日可愛い猫の写真や動画がバズっていたり、いろんな企業から猫をモチーフにしたグッズが発売されたりしている。猫の魅力といえば、なんといってもあのツンデレな態度。そっぽを向かれたと思いきや、こちらが忘れた頃に突然甘えてくるなんてこともある。そんな自由気ままな態度に振り回されるのもこのうえない幸せなのだが、本心では“もっと猫にモテたい!”と思っている愛猫家も多いことだろう。
そんな願望を叶えてくれるというのが、今年10月に発売された入浴剤「NEKOMOTE Bath Ball(ネコモテバスボール)」。こちらは、猫好き界隈で話題の「NEKOMOTE Bath Powder(ネコモテバスパウダー)」のバスボールバージョン。基本的には入浴時に浴槽に入れて香りを楽しむ入浴剤なのだが、猫が好むまたたびとキャットニップ(イヌハッカ)風の香りを調合していることで、入浴後の身体の香りで“ネコモテ”が期待できるというアイテムとのこと。しかし、その触れ込みだけを鵜呑みにしてもいいものだろうか――。
そこで、2匹の猫を飼っている筆者が「ネコモテバスボール」を使用し、愛猫たちのリアクションなどをリポートする。
「ネコモテバスボール」で愛猫たちにモテモテになるのか
ネコモテバスボールは株式会社ドリームズが販売している入浴剤。「ローズ」「カモミール」「ローズマリー」と3つの香りの製品が展開されており、価格は418円(税込)だ。
バラエティショップでも購入可能だが、今回は同社の公式オンラインショップから購入。それぞれの香りを1つずつ購入したので、代金は1254円に送料660円がプラスされた1914円だった。
注文から約1週間後、商品が到着した。香りによって色分けされていてカラフルなので、見た目にも華やかだ。しかも、バスボールが猫の頭の形になっていて可愛らしい。
では、さっそく使っていこう。まず手に取ったのは、ピンクのカラーが可愛らしい「ローズ」。袋を開けた瞬間からバラの良い香りが漂った。またたびやキャットニップが配合されているとのことだが、それによる香りの違いは特に感じられない。
使い方は普通の入浴剤と同じく、約200Lのお湯を張った湯船に入れてよく混ぜるだけ。バスボールを湯船に入れてみると、投入直後はブクブクと泡が立ったものの、あっという間に溶けていった。また、ピンク色のバスボールが溶けたお湯からはあまり色味を感じられず、ほとんど無色透明。入浴剤としては意外と地味だな……というのが正直な感想だ。
しかし、無色でありながらもバラのフレッシュな香りはほどよく感じられた。入浴中はこの香りに癒され、日々の疲れをリセットすることができるだろう。
さて、「ネコモテバスボール」を投入した湯船に1時間浸かってみたが、愛猫たちの反応は……? 心なしか、いつもより筆者の指を舐めたり匂いを嗅いだりしてくる回数が多い気はする。ただ、期待していたほどわかりやすい効果は実感できなかった。
もしかしたら、香りによって結果が変わってくるのかもしれないため、日を改めて残りの2つの香りでも試してみることに。
明らかに反応はしているがモテモテというほどではない?
次に使ってみたのが、黄色の「カモミール」。こちらは「ローズ」よりもクセが少なく爽やかな香りで、“誰にも嫌われない香り”という表現がイメージに近いかもしれない。
「カモミール」のバスボールを開封すると、愛猫が鼻をクンクンとさせながら近づいてきた。バスボールを動かすと連動するように首を動かしており、興味津々の模様。やはり、バスボールの香りに反応しているのだろうか。
さて、カモミールは湯船のお湯をわずかに黄色く染めたものの、こちらは湯船に入れてしまうとカモミールの香りがあまり感じられなくなってしまった。
「ローズ」のときと同じように1時間湯船に浸かって風呂場を出る。すると、普段は濡れている床を怖がって風呂場には近づかない愛猫が、すかさず入り込んできて湯船をじっと見つめ始めたのである。これは香りに反応している可能性が高そうだ。
その後、ソファでくつろいでいると、「ローズ」を使ったときよりも愛猫が寄ってくる回数が増え、そばに寄ってきて筆者の体の匂いを嗅ぐという行動も。普段はあまりしてこないことだったので、やはりバスボールの効果が発揮されていると考えるのが自然だろう。
最後に使ってみたのが、ブルーの「ローズマリー」。嗅いでみると少しクセのある甘い香りで、「カモミール」とは打って変わって人によって好き嫌いがわかれそうな匂いである。
こちらも「カモミール」と同様に開封後の反応は良好。鼻をクンクンとさせながらバスボールに吸い寄せられて来ていたため、やはり猫を惹きつける力はありそうに思えた。お湯に入れると、わずかにお湯を青く染めたが、お湯はほとんど無色透明のまま。開封直後にあれほど香っていた香りも、入浴時にはあまり感じられなかった。
さて、肝心の愛猫の反応はどうだろうか。「カモミール」のときと同じようにソファで過ごしてみたものの、愛猫たちは寄って来ず。むしろ、抱っこをしようとしてもジタバタされたりして、嫌われている気さえする。「カモミール」のときと比較すると、悪い意味で明らかな違いを感じた。
不思議に思ったので調べてみると、「ローズマリー」は“猫が嫌う”“猫よけに使える”と言われることもある香りとのことで驚いた。それでは、今回の目的である“ネコモテ”の対極にある香りではないか。開封直後に興味を示していたように見えたのは、匂いが自分にとって危険なものなのか否かを判断する行動だったのだろうか……。
総評すると、3種類ある香りのなかで2匹の愛猫から反応が良かったのは黄色の「カモミール」で、逆に青色の「ローズマリー」は反応が悪かった。だが個体差によって好みの違いもあるだろう。
“猫にモテるかも?”という商品の切り口自体は面白く、お風呂から出た後は、愛猫がどんなリアクションを見せてくれるのかというワクワク感もある。過剰な効果は期待せず、自身の愛猫が興味を示すかというお試し感覚であれば、買ってみてもいいかもしれない。
(取材・文=泥沼蛙/A4studio)