2022年に創業50周年を迎える、日本のハンバーガーチェーン「モスバーガー」。海外出店も積極的に行っており、20年2月にフィリピン1号店を出店して以降、現在までに海外店舗を443に増やしている。国内は1252店舗で、海外を含めると1695店舗(21 年11月30日現在)である。
そんなモスバーガーは、食材の安心や安全へのこだわりが強いことで知られている。それを象徴するのが、店頭に置かれている黒板だろう。そこには、使用されている野菜の産地や生産者の名前が明記されており、その堂々たる姿勢からモスバーガーの自信をうかがうことができる。
だが、なかには、食べる人によってはおいしいかどうか微妙に感じられてしまう商品も存在する。今回は“今冬、要注意な商品”を5つ選出。その理由も含めて解説していくので、モスバーガーを訪れる際の参考にしてみてほしい(価格は税込み)。
モスの菜摘(なつみ)モス野菜/380円
まず紹介したいのが、19年春の「モスバーガー『買ってはいけない商品』5選!大不評で逆に話題、コスパ最悪、温度ぬるい」をはじめ、この要注意シリーズで何度か紹介している「モスの菜摘(なつみ)モス野菜」。以前の紹介では「ただのバンズ抜きバーガー」「レタスが少ない」という意見を取り上げたが、今回は巷で囁かれている“オーロラソースが水っぽい”との意見に注目した。
実際に食べてみると、確かにソースはかなり水っぽい。水にソースを溶かしているような味になっており、オーロラソースの味はほのかに感じられる程度だ。おそらく、トマトの水分とレタスの瑞々しさが裏目に出てしまっているのだろう。バンズがないことも相まって、良くも悪くも野菜をそのままで食べているような商品に仕上がっている。
“野菜を食べたい”という人や“ハンバーガー1個は重たい”という人には良いのかもしれないが、ハンバーガーをしっかり食べたい気分の人が頼んでしまうと、物足りなさを感じてしまうかもしれない。
ソイスパイシーモスチーズバーガー/450円
次に紹介したいのが、近年話題の代替肉を使用した「ソイスパイシーモスチーズバーガー」。野菜をたくさん食べてほしいとの思いから誕生したソイパティは、大豆由来の植物性たんぱく質を使用することで、脂質を抑えることに成功した商品である。
だが、そんなソイパティを使ったバーガーには“具材の存在感に負けている”という意見が多く集まっている。今回はシリーズの中でも、具材の量がダントツに多い「ソイスパイシーモスチーズバーガー」を購入した。
実際に食べてみると、まず特製ミートソースとまろやかなチーズの濃厚な味わいが押し寄せてきた。非常においしい商品なのだが、だからこそ“ソイパティが負けている”という意見にもうなずけてしまう。
ソイパティ自体は、まったくといっていいほど大豆感がなくおいしいので、健康に配慮しながらハンバーガーを食べたいという人にはいいだろう。だが、やはり肉らしい存在感と少ない脂質の両立が難しいということは、念頭に置いておくべきなのかもしれない。
ダブルモスチーズバーガー/550円
お次は、21年春に掲載した「モスバーガー、新商品のマッケンチーズ&コロッケが不評の理由…この春“要注意な商品”5選」でも紹介している「ダブルモスチーズバーガー」。以前紹介した際にはカロリーの高さを取り上げたが、同商品は食べにくさでも不満の声があがっている。
実際に食べてみると、想像以上に食べにくい。どこを食べてもミートソースとチーズがバンズからはみ出し、口のまわりや袋を持っている手に付着してしまう。具材が多過ぎて困るというのは贅沢な悩みなのだろうが、店内で食べるときや複数人で食事を楽しむときに周囲の目が気になるという人にとっては、やはりネックになってしまうだろう。
しかし、これはあくまでそのまま食べたときの話である。モスバーガーでは、こうした食べにくさ軽減のために、スプーンの提供を行っている。ミートソースをすくいながら食べることで、汚れるリスクが減らせるというわけだ。食べにくさが気になる人は、店頭で忘れずにスプーンをもらうといいだろう。また、手や口のまわりが汚れてもいいように、テイクアウトして自宅でゆっくり味わう分にはおすすめだ。
とびきりチーズ~北海道産ゴーダチーズ使用~/470円
続いては、国産牛を100%使用したハンバーグに北海道産のゴーダチーズとオリジナル国産チーズをトッピングした、「とびきりチーズ~北海道産ゴーダチーズ使用~」。非常においしそうな商品なのだが、この商品には“重すぎる”“味が濃すぎる”という意見が集まっている。
実際に食べてみるとハンバーグはジューシーで、とろとろのチーズとの相性も抜群に良いように感じた。しかし、玉ねぎをベースにしたソースの味がかなり濃い。ハンバーグとチーズというインパクトの強い食材に負けないための濃い味付けなのかもしれないが、これではこってり感がかなりアップされているような気がする。
濃い味が苦手な人や重い商品が苦手な人にとっては、要注意な商品かもしれない。ただ、粗挽きのハンバーグに濃厚なチーズという組み合わせは極上のため、逆に濃いめの味が好きという方にはおすすめと言えるだろう。
塩キャラメルラテ<クリスマス島の塩(R)使用>/360円
最後に紹介したいのが、21年11月11日から販売している「塩キャラメルラテ<クリスマス島の塩(R)使用>」。きめ細やかなミルクフォームを使用したカフェラテに塩キャラメルソースを合わせた商品なのだが、この商品には“塩の味がわからない”という意見が多く寄せられている。
実際に飲んでみると、確かに塩の味がわかりにくい。正確に言うと、ほのかな塩味と塩のまろやかさを感じることはできるのだが、エスプレッソとキャラメルの存在感に負けてしまっている状態だ。また、それでも味が完成されているために、なおさら塩を入れる意味があるのかわからなくなってしまう。
濃いめのエスプレッソとキャラメルソースの相性は非常に良く、間違いなくおいしいホットドリンクなのだが、塩味に期待して購入すると、イメージとのギャップを感じてしまうかもしれない。こちらは22年3月下旬までの期間限定商品のため、気になる方はぜひ試してみてほしい。
――今回は“今冬、要注意な商品”を5つ紹介したが、どれも決しておいしくないわけではなかった。しかし、想像する味とのギャップを感じる商品や食べにくい商品、人を選ぶような商品ではあったため、今後モスバーガーを訪れる際の参考にしてもらえれば幸いだ。
※情報は2021年12月16日現在のものです。
(文=A4studio)