すぐ破れるポリ手袋…セリア、独自調査で買ってみたら「使えなかった」商品4選

　コストパフォーマンス抜群の日用品やアイデアグッズなどで人気の100円ショップ。高いクオリティーと驚きの低価格は、我々の生活を大いに助けてくれている。また、日夜新たな商品が生み出されており、季節ごとの新作を心待ちにしているファンも少なくない。

　そんな100円ショップ業界のなかでも「セリア」はとりわけ個性的。300円、500円、1000円と高価格帯品も取り扱うようになってきた競合他社と異なり、いまだに全品110円（税込）を続けるその姿勢と、モダンなデザインセンスで唯一無二の存在感を放っている。

　そうしたブランドイメージのおかげか、2022年9月末時点で、店舗展開数は1912店舗（直営店数1871店、FC店数41店舗）に到達。これは業界ナンバーワンの「ダイソー」に次ぐ店舗数となっているのだ。

　しかし、そんな人気の「セリア」にも、なかには少々クオリティーに疑問符が浮かんでしまうものも紛れ込んでいる様子。そこで今回は独自調査で“要注意（？）なセリア商品”を4品選んだため、紹介していきたい。

ポリエチレン手袋／110円

　キッチンの排水口といった水回りは毎日清潔に保ちたいものだが、汚れ部分を素手で触るのには強い抵抗を覚える人も多いだろう。そんなときに役立ちそうなのがこちらの「ポリエチレン手袋」という商品。

　フリーサイズのポリエチレン手袋が100枚入りで、使用後はそのまま裏返して捨てる使い切りタイプ。取り出し口を開けることで、まるでウェットティッシュのように簡単に手袋を引き出せるのが便利である。モダンな黒いカラーリングはキッチンなどに常備していても悪目立ちせず、このあたりの配慮はさすが「セリア」のデザイン力といったところだろう。

　しかし問題は強度だ。というのも、手袋をはめようと口部分の端を持って軽く引っ張っただけでグニーッと伸びてしまい、あっという間に破れてしまうのだ。かなり丁寧に装着すればそんなことはないのだろうが、普通に使おうとしてこうなるのは、いささか強度に難ありと感じる。なにより、汚れたくない場所の掃除で使うアイテムとして、破れる不安感が付きまとうというのは、評価を下げざるを得ないだろう。

静音OPP梱包テープ／110円

　引越しなどで段ボールを梱包する際、ガムテープを何度も引き出していると、「ビビーッ」と独特のノイズが響くので、徐々に音にストレスを感じてしまうという人もいるだろう。また、そのテープの強い抵抗にじんわりと手首が痛くなってしまうこともあるかもしれない。そんなときに有効なのが音と抵抗の少ないOPPテープ、通称「静音テープ」という存在だ。

「セリア」で販売されているこの「静音OPP梱包テープ」もそんな便利なテープなのだが、ネット上では不評も見受けられる。「真っ直ぐに引き出しているのに勝手に斜めに切れていく」という不満の声があり、確かに実際に使ってみると何度かあらぬ方向に切れ目がずれてしまった。

　競合の100円ショップも静音テープは発売しており、なかには同じ税込110円で、切り取り用のテープカッターが内蔵されているものや、本品より30m長い80mの商品もあるので、購入するならそちらを選んだほうが賢明かもしれない。

オイルスプレー75ml／110円

　ダイエット中で食事のカロリーが気になる方に向けて、カロリーカットが期待できるという触れ込みのアイテムが、こちらの「オイルスプレー75ml」。本品に食用油を入れて使えば油を霧状に噴射することができ、油を最小限で使うことができるのだという。

　だが、この商品を使ったというユーザーたちからは「油の霧が狙ったところにかからない」「プッシュするところが重いうえにべとべとになる」「すぐに詰まってスプレーできなくなってしまう」など、不満の声が挙がっている。

　実際に使ってみると、最初のうちは効果的に噴霧することができたが、スプレーの噴射口が詰まってしまうのか、しばらく使うとあらぬ方向に噴き出すことが確かにあった。また噴射口から油が滴り、持ち手がヌルヌルになってしまい少々不快だった。

　さらに気になったのは、包装紙の裏面に書かれていた一文だ。「内容物の成分がポンプ内で固まらないよう、1週間に1度を目安にぬるま湯で数回スプレーし、ポンプ・容器内をよく洗ってください」。確かに清潔に使うのは大事だが、よく使う油の容器をこの頻度でメンテナンスせねばならないのであれば、本品をわざわざ使うより、油を使うときにその量に気を配れば十分なのではないだろうか。

老眼鏡プラスクエア2.0度／110円

「セリア」には、「こんなものまでこの値段で買えるのか！」と驚かされるものがいくつも並んでいるが、この「老眼鏡プラスクエア2.0度」もそうした部類に入るのではないだろうか。

　この商品はプラスチック製のフレームと、同じくプラスチック製のレンズで構成された、きちんと度の入った老眼鏡。近いものが見えづらくなる中高年の方にはありがたいアイテムといえるだろう。

　特筆したいのはそのデザイン。老眼鏡にありがちな古臭さを感じさせない、スマートでモダンなそのフォルムは、「セリア」のデザイン性の高さを感じさせる。本品は「+1.0」「+1.5」「+2.0」「+2.5」「+3.0」「+3.5」と6種類展開されているのも特徴。また、包装紙の裏面には度数を測定できる表もついており、「鮮明」と書かれた文字を30cm離してくっきり読めるか否かで、合う度数が選べるようになっているのも嬉しい配慮だ。

　このように、コストに対してのパフォーマンスは高いのだが、気になる点もあるのだ。鼻当てがフレームと一体型になっているのだが、その高さが低過ぎてまつ毛がレンズに当たってしまうのである。ネット上でもこの部分を不満点として挙げる人が少なくないので、まつ毛が長めの人などには要注意の商品かもしれない。

　ここまで少々残念なアイテムを紹介してきたわけだが、もちろん「セリア」商品の多くはコスパ抜群の高品質なものばかり。だからこそ、賢い買い物をするためにも、今回紹介した商品をしっかりとチェックして「安物買いの銭失い」とならないように気をつけてもらいたい。

（文・取材＝A4studio）

※情報は全て2022年10月10日時点のものです。