セリア、買ったら残念だった商品5品…誤差が出るキッチン目安計、簡単密封シーラー

　バブル崩壊後、お財布の紐が固くなった時代にその圧倒的安さと便利な商品ラインナップで、驚異的な躍進を遂げた100円ショップ業界。今では我々の生活に欠かせない存在となっている。

　なかでも「セリア」は、300円、500円、1000円といった高価格帯にも舵を切り始めた業界最大手の「ダイソー」に対抗するかのように、いまだ全商品100円（税込110円）という低価格帯を維持する姿勢を取り続けている。加えて、そのデザイン力の高さでも他の100円ショップブランドとは一線を画する個性を放っていると評判だ。

　そうした企業イメージのおかげか、今年3月末時点での日本国内の店舗数は、直営店・FC店含めて1876店舗を誇っており、ダイソーの3620店舗（2021年2月末時点）に続く業界No.2の座を有する数字となっている。

　しかしそんなセリアにも、なかには「これはちょっとどうなんだろう……」と戸惑ってしまう商品があるのもまた事実。そこで今回は独自調査で“この夏、要注意（？）なセリア商品”を5品ピックアップしたので、紹介していこう。

キッチン目安計／110円（税込、以下同）

　夏場は料理をしていると汗だくになってしまうこともあるため、少しでもキッチンに立つ時間を短くするように調理を工夫する人もいるだろう。そんなときに調味料などの分量が手軽に計れるグッズがあるとありがたいはず。こちらの「キッチン目安計」は、計量容器が付属していて、1kgまでの重さを大まかに計れるというものだが、利点と同じくらい不満な点もまた多い商品なのである。

　まず、使うたびに計量容器を乗せ、メモリをゼロに合わせる手間がかかるという点。また、実際に使ってみてわかったのだが、100gあたり3g以上の誤差が生じることがある点だ。あくまで“目安計”なのでもともとの仕様なのだろうが、正確に分量を計る必要がある料理やお菓子作りをよく作るという方には向かないだろう。

不織布水切りフィルター／110円

　いまや生活上の消耗品はほぼ揃うといっても差し支えないほどに、100円ショップの商品ラインナップは充実している。そして毎日使うものはなるべくコストを抑えたい人にぴったりの商品が、セリアにも多くそろっている。しかし、数あるなかで「不織布水切りフィルター」の購入を考えているなら、少し待ってほしい。

　この商品は、不織布素材でできている排水口用の水切りフィルター。不織布素材の特性により、細かいゴミや油分をしっかりキャッチしてくれるのだ。また、コンパクトに折りたたまれているため、保管に場所を取らない点も嬉しい。

　しかし、実際にキッチンで使用してみると、不織布素材のデメリットが悪目立ちしてしまう。フィルターの目が細かすぎて、すぐに水が流れなくなってしまうのである。洗い物によっては、一度で取り換えが必要になることがあるかもしれない。55枚入りで110円という圧倒的なコスパの高さは否定しないが、使い心地が良いとはいえないだろう。

簡単密封シーラー／110円

　湿度が高くなり、食品も傷みがちな夏場。なるべく食品がしけらないように、保存のやり方を試行錯誤している人は少なくないはず。そんなときにセリアの「簡単密封シーラー」は、食品保存のアイテムとして目に留まりやすい商品だろうが、購入前に知っておくべきポイントがある。

　この商品は、開封済みの袋を本品で挟みスライドさせるだけで、簡単に中身を密封できるというアイテムだ。食品の劣化を防いでくれるため、SNS上では購入したユーザーがその性能について高く評価することも少なくない。しかし、残念なことにそんな有能に見えるアイテムにも要注意なポイントがある。

　それは、使用するたびに毎回乾電池を入れ、使用後は外さなければならない点。なぜなら乾電池を入れるとスイッチが入り発熱してしまうからである。そのため手間がかかっても密封したい、という人以外にはおすすめしづらいアイテムとなってしまっているのだ。

ウォータージャグ 1.75ｌ冷水・冷茶専用／110円

　世間ではひとりでキャンプを行うソロキャンプが流行し、最近では100円ショップでもアウトドア用品を見かけるようになった。セリアからもそうした商品が多く出ているが、そのなかのひとつ、「ウォータージャグ 1.75ｌ冷水・冷茶専用」は使い道が難しいかもしれない。

　説明書通りに組み立てた後、本体に冷たい飲み物を入れ、レバーを引きコップに注ぐだけなので使い方は簡単。子供でも簡単に飲み物が注げる仕様になっているが、一方でアウトドアに持っていくには難点が多い。

　まず保冷機能がないため、外出先で冷たい飲み物が飲みたい場合は、別の保冷容器で持っていく必要がある。次に、水位が蛇口より低くなると中の飲み物が出なくなるのだ。中途半端に飲み物が中に残ってしまい、最後は蓋を開けて注ぐことになるのである。人気商品で見た目もおしゃれだが、残念ながら機能面で難ありといえるだろう。

ピタッとせっけんホルダー／110円

　湿気が多く菌の繁殖しやすいこの季節。お風呂場でのせっけん置き場のぬめりやカビが気になって、ディスペンサーを使う人も多いのではないだろうか。そんなとき、今流行っているという“浮かせる収納”が叶うのが、セリアの「ピタッとせっけんホルダー」だ。

　せっけんに金属ホルダーを埋め込み、磁石入りの本体にくっつけて使うため、せっけんを置くための場所が必要なくなるという便利アイテム。一見すると有能なアイテムに見えるが、本品の需要を考慮すると致命的な弱点が……。

　というのも本品の注意書きに、浴室での使用はやめてほしいという記載があるのだ。確かに、本体を粘着テープで壁に固定するため、湿気が多い場所での使用は難しいのだろう。しかし、せっけんを最も使う場が浴室ではないだろうか。また、本体をはがした後は壁に粘着テープの跡が残ってしまうのも気になるところ。購入する際は設置場所をよく考えたうえで購入してほしい。

　少々残念なグッズを紹介してきたが、もちろんセリアのほとんどの商品は低価格でクオリティが高いものばかり。だからこそ、サマーシーズンの賢い買い物を実現するためにも、今回紹介した商品などをしっかりとチェックして、“安物買いの銭失い”とならないように気をつけてもらえば幸いだ。

（文・取材＝A4studio）

※情報はすべて7月1日時点のものです。