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失敗しない部屋探しのコツ8選…まず不動産屋に行くはNG、「大島てる」を確認

取材・文=佐藤勇馬、協力=中野由妃絵/「ichikari」運営者
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いちかり君お部屋探しの人(東京/神奈川)(@ichikaritokyo)」
X「いちかり君お部屋探しの人(東京/神奈川)(@ichikaritokyo)」

 新生活や引っ越しの時、誰もが思うのが「部屋探しで失敗したくない」ということ。しかし、部屋探しはなかなか難しく、「ほぼ運ゲー」と考えている人も少なくない。そんな中、SNSで賃貸暮らしのライフハックなどを発信しているアカウントが公開した「失敗しない部屋探しのコツ8選」が参考になると話題を呼んでいる。

 話題になっているのは、一律報酬の部屋探しエージェントマッチングサービス「ichikari(イチカリ)」のX公式アカウント「いちかり君」の10月下旬の投稿。部屋探しで失敗しないためには「最初から不動産屋に行くのはNG」「物件探すのは入居希望日2ヶ月前~」「希望条件に優先順位つける」「間取りは家具配置イメージして選ぶ」「デザイナーズは実用面を考える」「安い物件は『大島てる』を見る」「内見前にGoogleマップを見て無駄足を減らす」「迷ったら条件を増やすのでなく削る」という8つのコツがあると投稿し、これが非常に参考になると評判になっているのだ。

 「最初から不動産屋に行くのはNG」は驚く人も多そうだが、この理由については「今はネットで物件が探せる時代なので、まずはスーモやホームズ等で希望条件を入れて、どれくらい物件でてくるかを確認しながら条件を決めていこう!そうすれば家賃相場等もざっくりわかるので良きです」と説明されている。

 善は急げで半年くらい前から部屋探しを始める人もいるが、それはNGのようだ。「物件を探すのは入居希望日2ヶ月前~」だそうで、その理由としては「お気に入りの物件を早く見つけて内見をして決めても『キープ』はできません!」とのこと。入居申し込みすればキープできるが、人気エリアの物件は申し込みの2週間後くらいから家賃支払いをお願いされるため、早すぎると住んでいないのに家賃を払うことになるそうだ。また、物件募集は開始から1週間~1カ月ほどで終わるので、あまり早めに住みたい物件を見つけても募集が終了して無駄になってしまうという。

 また、間取りや部屋の広さに迷ったときは家具の配置をイメージすると「自分に必要な部屋の広さ」が理解しやすいとのこと。格安の掘り出し物件については「音が響きやすい」「線路・高速道路沿い」「間取りが使いづらい」などの何かしらの安い理由があるが、それらが見つからない時は、事故物件情報サイト「大島てる」でチェックすると”隠されていた安い理由”が分かることがあるという。

 さらに、物件の条件選びで迷ったら自分のライフスタイルを考え、優先度をつけながら「なくてもいい条件を削ぎそぎ落としていく」のがコツとのこと。「迷ったら紙に書きながら整理していくと自分に必要なものがわかってくるので迷ってる人はやってみてね」ともアドバイスしている。

 これに対して、ネット上では以下のような反響が寄せられた。

「おお…勉強になる…ほんと部屋探しってて大変」
「ほんまこれで理想の物件に出会えたから賢い物件選び大事よな」
「家具の配置イメージホント大事!なんなら持って行く家具の寸法も測って行くといい」

部屋探しに都合のいいタイミングは?

 部屋探しのコツをさらに深掘りするため、いちかり君の“中の人”で「ichikari」を運営する「なかゆー」こと中野由妃絵氏に話を聴いた。もし引っ越し時期が選べるとしたら、部屋探しに都合のいいタイミングはあるのだろうか。

「閑散期(6月~8月ごろ)は引っ越しする人が繁忙期(1月~3月)と比べて減るため、家賃や初期費用などを下げる交渉ができるケースが多いです。逆に繁忙期は引っ越しする人が多いので値段交渉は難しいですが、物件数は多い(入居・退去の数が多くなる)ため、より多くの選択肢の中から選べるというメリットがあります。そのため、値段をとるか、選択肢をとるかといった感じですね」(中野氏)

 失敗しない部屋探しのコツとして「物件探すのは入居希望日2ヶ月前~」という項目があったが、ネット上では「いい部屋はすぐ埋まるから即決すべき」という意見もあった。

「即決すべき場面というのも確かにあります。いい物件であればあるほど、申し込みが入って募集が終了するまでのスピードが早いです。募集が出てから数日で終わってしまうこともあります。そういった物件は早い者勝ちになるため、いい物件を見つけたらすぐに申し込みして押さえる(その分、希望日よりも家賃支払いのタイミングが早くなりますが)という感じで動くといいと思います。このように即決するためには、事前に情報を収集したり、すぐ動けるように準備をしたりする必要があるので、だいたい引っ越し希望の2ヶ月前くらいから物件サイトを見ながら条件を整理していったり、費用的な部分で問題がないか等を確認しながら準備していくのがよろしいかと思います」(同)

 「最初から不動産屋に行くのはNG」というコツについても、ネット上では「不動産屋はネットに出ていない優良物件の情報を持ってるので、まず直接訪ねたほうがいい」という意見が根強くある。実際、不動産屋に行かないと教えてもらえない「隠し優良物件」のようなものはあるのだろうか。

「基本的には、どこの業者も扱っている物件はほとんど同じです。同じ業者専用サイトで情報を共有しているからです。ただ、自社で管理している物件を業者サイトで共有せず、自社だけで紹介(通称:囲い込み)する業者も一部いるため、そういった業者の物件は直接行かないと紹介してもらえないケースもあり、すべての物件がネットに載っているというわけではありません。ただ割合的にいうと、エリアにもよりますが、囲い込みの物件は全体の10~15%程度かと思います。なので、まずはネットである程度の家賃相場などを確認してから、自分の条件を整理した上で不動産屋に行くという流れの方が、より理想の物件を見つけやすいと思います」(同)

すべての希望を叶えられる物件というのは基本的にない

 部屋の条件の優先順位を決めるのは「あれもこれも」と考えてしまって難しいようにも思えるが、うまくやるためのコツはあるのだろうか。

「まずはエリアをどこにするのかを決めるといいです。週4〜5日出社する人は通勤しやすいエリアをベースにして、物件の設備や、間取り&広さなどを条件に入れて探していくといいと思います。そこで希望通りの物件が出ればいいですが、もし出ない場合はエリアを都心から遠ざけて家賃相場が安いエリアで探す必要があります。その際に、エリアは絶対に変更したくない人もいると思うので、その場合は物件の設備や間取りを変更する必要があります。ここも変更できないという人は、家賃や初期費用の金額を上げて探す必要があります。何を優先したいかのお話になりますが、すべての希望を叶えられる物件というのは基本的にないので、自分にとってどれが大事なのかを考えながら、迷ったら紙などに条件を並べて書いていって、妥協できる条件は二重線を引いて消し、絶対に妥協したくないものに対して順番をつけていくといいと思います」(同)

 ネット上では、大島てるの活用法として「大島てるに掲載されていることを不動産屋に告げて値下げ交渉の材料にする」という驚きの作戦を思いついたユーザーもいた。このアイデアに実効性はあるのだろうか。

「掲載されていることを理由に値下げ交渉ができる場合もあるかもしれませんが、そもそも掲載されていることをオーナーさんが把握した上での家賃や初期費用の値段設定になっている可能性もあるので、絶対にできるとは言えないですね。近隣の同じような条件の物件と値段比較してみて、検討中の物件の方が安い場合は望み薄ですが、相談してみる価値はあると思うので、不動産屋さんに確認してみてください」(同)

(取材・文=佐藤勇馬、協力=中野由妃絵/「ichikari」運営者)

いちかり君(なかゆー)

いちかり君(なかゆー)

東京23区を中心に賃貸の仲介手数料0円〜契約できる「ホンネ不動産」と、一律報酬のお部屋探しエージェントマッチングサービス「ichikari(イチカリ)」の運営をしながらSNSで賃貸暮らしに役立つ情報を発信している
ホンネ不動産
イチカリ

Twitter:@ichikaritokyo

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