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イオンをハシゴ豪遊、おじさんが丸一日やったら天国だった…出費2500円

文=渡辺雅史/ライター
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イオン海老名店(撮影=渡辺雅史)

 講談社の青年漫画誌「モーニング」で連載中の漫画『定額制夫の「こづかい万歳」〜月2万千円の金欠ライフ』。この第46話で紹介された、イオンで豪遊するおじさんのライフスタイルがネット上で話題となっている。イオン豪遊おじさんがどのように豪遊しているのか、詳細については公開されている電子版をご覧いただきたいが、ざっくりいうとウォーキングを兼ねていろんなイオンの店を渡り歩き、店内の施設で楽しい休日を過ごすというものだ。

 このエピソードが紹介された漫画を読んだとき、最初に感じたのは「まるで漫画のような夢みたいな話だな。実際漫画だし。多少話は盛っているのかも」ということ。続いて思ったのが「この記事を書いている私、ライターの渡辺は48歳。おじさん世代ど真ん中。現在糖尿外来を受診中。だったら実際にやってみたら……」と。そこで、朝から晩までイオンをハシゴ歩き。イオン豪遊おじさんを1日体験してみた。

 午前9時。やってきたのは海老名。新宿から小田急線で45分。相鉄線、JR相模線も乗り入れる神奈川県中部のターミナル駅だ。駅の東口には、駅前広場の向かい側にあるショッピングモール「ビナウォーク」に直結する高架歩道が渡されているが、その歩道を途中で降りて少し歩くと現れるのが、イオン海老名店だ。

 イオンモールのような巨大なショッピングモールほど大きくはないが、町にあるスーパーマーケットよりは大きい。昭和の時代によくあったデパートのようなサイズ感のスーパーマーケットという感じのお店。店内には食品をはじめ、服やおもちゃ、家電製品の売り場などがある、ここに来たらなんでもそろうというスーパーだ。

 この時間にやってきたのには理由がある。イオン海老名店の2階には映画館「イオンシネマ海老名」が入っている。このイオンシネマ、鑑賞料金が1800円と都内の一般的な映画館より安い。その上、朝10時台までに上映が始まる作品は500円引きの1300円で鑑賞できる。大手シネコンでも20時以降に上映する作品が割引となる制度があるが、朝の上映で割引は珍しい(イオンシネマでは夜遅い時間の上映でも割引サービスがある)。

 そんなわけで、朝から北野武監督の映画『首』を鑑賞。重い病気にかかったり恋をしたりして一人の人間が死んでいく物語で映画が1本できる時代に、ビックリするほど人が死んでいくな。なんて思いを抱いた2時間だった。

イートインコーナーは水が飲み放題

 鑑賞後はイオンシネマの脇にあった1人カラオケボックスへ。電話ボックスサイズの中にカラオケマシンがあり1曲100円。サクッと歌うにはちょうどいいスペースだ。続いては同じフロアにあるゲームセンターへ。クレーンゲームやエアホッケー、メダルゲームなどが並ぶ昔ながらのデパートのゲームコーナー。当選確率が30分の1とアミューズメントゲーム仕様に改造されたジャグラーはたった200円の出費で5ペカと気分を上げてくれる。

 一通り遊ぶと時刻は13時。1階に降りてランチのピーク時を過ぎて値引きシールが貼られた弁当を食料品売り場で購入してイートインコーナーへ。イオン海老名店のイートインコーナーは、水が飲み放題。さらに弁当を温める電子レンジも自由に使える便利なスペース。ここで腹ごしらえをして、1階のフードコート近くにあったマッサージチェア(5分100円)で体をほぐし、次のイオンへ。

イオンモール座間の巨大なフードコート

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イオンモール座間

 7.5kmほど歩き16時すぎにたどり着いたのはイオンモール座間。1〜3階にさまざまな専門店が入る巨大なショッピングモールだ。2018年にオープンしたこちらは、同じイオンでも昭和のデパートのような趣のある海老名店とは異なる魅力がある。店内の案内板には漫画で紹介されていた「イオンモールウォーキング」のコースマップが掲示され、店内には誰でも休憩できる椅子があちこちにある。

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「イオンモールウォーキング」のコースマップ

 さっそく店内巡りを兼ねてウォーキングと行きたいところだが、ここまで歩いてきてヘトヘトなのでまずはマッサージチェアコーナーで体をほぐす。

 疲れがほぐれたところでウォーキング開始。フロアにある売り場を1周する480mのコースだが、売り場は1階、2階、3階にあるので、すべてを回ると1440m歩くことになる。3階にNTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天、ワイモバイル、UQとスマホを扱うショップ、子供の遊び場や子供用品のメーカーをそれぞれ固めて配置するなど、利用者にわかりやすいモールづくりをしているな、なんて感じながら完歩。

 そして巨大なフードコートへ。フードコートに飲食物持ち込みを遠慮してほしいとの貼り紙があったので、マクドナルドで120円のコーヒーを購入。コーヒーと無料で飲める水を飲んで疲れをいやす。その後、ゲームコーナーやモール内の専門店へ行くが、ゲームコーナーは女性や子供、若い男性の心をつかむようなゲームが主体で、残念ながら私が好きなメダルゲームはなかった。専門店も私が惹かれる店は少なめ。ただ、テーブルのある休憩スペースはいろんなところにあったので、食料品売り場で半額となっていたパンや団子を味わいつつ、再度1〜3階をウォーキング。3時間ほど楽しんで帰宅の途に着いた。

 朝から夜まで巡った結果、使ったお金は交通費を除くと2500円ほど。1日遊んでこのくらいなのでコスパは相当いいと言えるだろう。

 2店を巡ってみて感じたのは

・イオン巡りは楽しい
・店によって個性が異なるので他の店も行ってみたくなる
・フードコートより持ち込みOKのイートインコーナー

ということ。みなさんもいろんなイオンを巡って、お気に入りの店舗を見つけ、安くて楽しい休日を過ごしてみてはいかがだろうか。

 最後に一つ。「漫画だから盛っているのでは」と疑ってしまい、すみませんでした。

(文=渡辺雅史/ライター)

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