女性客が飲食店を選ぶ基準はトイレ?女性がトイレでやっている“意外な”トップ10は?
「休憩」がランクインした理由には、「俺のイタリアン」などの立ち食い飲食店が増え、トイレで休むというパターンが増えたことが考えられる。また、最近のトイレは広くなり清潔感も増したので、休みやすくなったのもその一因。
また、2位に「メール」、8位に「電話」とあるあたり、客席で同席者の前での携帯電話の使用を遠慮して、トイレでメールをゆっくり打つなど、「携帯電話で話す、メールを打つ、ネットを見る」場所としても使用されることが多くなっていることがわかる。
そのほか、上位には「着替え」や「ストッキングを替える」が入っている。男性からすると、「そんなことしていたの?」と少々驚くところだ。ベスト10には入らなかったが「運動」という回答も多かった。実際にトイレでスクワットをしている女性客を見たことがあるという女性スタッフもいた。また、定番の化粧直しが1位、女性にとってトイレは「用を足す」だけではないことがわかる。
飲食店においてはQ(Quality/品質)、S(Service/サービス)、C(Cleanliness/清潔さ)が大事といわれ、この3つの質が高い店が繁盛するとされてきた。しかし今は、これらに加えてA(Atmosphere/空間)が要求されている。以前は「Cを確認するにはトイレを見ろ」と言われていたが、今はそれだけではない。トイレを見るのはAを確認するためでもある。清掃が行き届いているかどうかはもちろん、快適性をも提供しているかの判断基準となっているのである。
最近では、大手グルメサイトの検索条件に「女性用パウダールームあり」という項目を新たに加えたところもあり、利用客のトイレに対する関心は高まっていることがうかがえる。冒頭のアンケートの「トイレに求めること」として、「化粧ポーチを置く場所が欲しい」「油とり紙、綿棒などの化粧補助備品が欲しい」「鏡が大きいこと」など、化粧直しの利便性を求める声が多かった。
日本を訪れた外国人観光客が驚くこととして、「トイレがきれい、オシャレ、機能がすごい」という意見が多いが、日本人はトイレに対する意識が極めて高いといえる。
ちなみに、ほかにも、「ある程度の広さがほしい」「混まないこと」など、トイレ内でくつろげることを求める人も多く、リラックススペースとなっていることがうかがえる。
(文=氏家秀太/空間プロデューサー・ビジネスコンサルタント)