道行く人はスマートフォンを持ちながら歩き、電車の中を見渡せば、ほとんどの人がスマートフォンでゲームやLINEをしている。時間があればスマートフォンを触っている、手放せないという人は多いはず。友人や家族とのつながり、チケットやホテルの予約、ネットショッピング、暇つぶしのゲームなど、スマートフォンがあれば、なんでも出来てしまうし、人とのコミュニケーションをとる上でも欠かせないものとなっている。
しかし、歩きながらなどの「ながらスマホ」での事故やLINEでのいじめ、スマートフォンに依存するなど、マイナス面も少なからずあることも忘れてはならない。
知らず知らずのうちにスマートフォンをはじめとしたデジタル機器に依存してしまっているかもしれないのだ。
『デジタル・ダイエット 28日間でIT中毒からぬけだす方法』(ダニエル・シーバーグ/著、アンダーザライト/監修・編集、瀬田貴子/訳、アンダーザライト/刊)では、28日間4ステップのエクササイズで、自分のデジタルライフを振り返り、デトックスし、リアルな人生をより良いものにしていく方法を紹介する。
・会話の通話中に、スマートフォンをチェックしたい衝動に駆られることがある
・自分が経験したことも、フェイスブックやツイッターに投稿しない限り、現実に起きたことと感じられない
・道を歩く時もスマートフォンに熱中していて、周りの状況をよく見ていない
・家族が同じ部屋にいても、それぞれがネットやメールをしていて会話がない
もし、この中で当てはまる項目が1つでもある人は、テクノロジー依存症かもしれない。
本書によれば、テクノロジー依存に陥りやすい要因の1つは、適量が分かりづらい点にあるという。食生活は何をどれだけ食べるか、量とバランスに気を使っても、テクノロジーの過剰摂取を気にする人はほとんどいないだろう。ガジェットやウェブサイトには、栄養表示のようなラベルは当然ない。だから、意識しづらいのだ。
そこで、意識的にデジタル環境から距離を置き、無自覚に陥っている中毒状況を克服する必要がある。
本書にはデトックスの方法がつづられている
それは、あらゆる電源を落とすことから始まる。次の段階で、今持っているデバイスやオンラインツールの価値を査定する。これによって、バーチャル肥満指数を割り出す。そして、自分や家族にとって、どのテクノロジーが有効で、どのテクノロジーが不要なのかを考える。これが、このダイエットの要となる。
何をどれだけ使うかは、それぞれのライフスタイルや必要性に応じて調整できる。その他、ストレス解消に効く体操や脳のトレーニング、ポジティブに過ごすためのコツも本書では紹介している。こうしたプロセスを経て、生活のバランスを取り戻すことができるのだ。
スマートフォンなどのデジタル機器は私たちの生活をとても便利なものにしている。ただし、それらに依存し、振り回されることがないように、ほどほどの距離感を保って上手に使うことが、バランスのとれた生活を送ることにつながるのだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。