ネットにつながる家電製品(スマート家電)やゲーム機が増えたことで、子供や高齢者などの「情報弱者」がネットに関わるケースも増えている。しかし、そういった製品は個別にセキュリティソフトを入れるのが難しいため、サイバー攻撃に遭った際の被害が深刻化してしまう。
実際、スマートテレビが強制的に再起動されたり、日本製のスマートトイレにハッキングに対する脆弱性が見つかっているほか、サムスン電子のスマート冷蔵庫では隣人にグーグルのログイン情報を盗まれる可能性が指摘されている。アメリカでは、10万台以上のスマート家電がハッキングされ、75万通以上のフィッシングメールや迷惑メールの送信に利用された事件も起きている。
また、自宅内に設置したカメラの映像が他人に傍受される、機器に保存された写真や動画が流出する、といったリスクもある。スマート家電などのセキュリティ対策が急務になっているといえる。
そんな中、ネットサービスプロバイダのニフティが提供している「常時安全セキュリティ24プラス」というサービスが好評だ。同サービスは、専用のネットワーク機器(サービスアダプター)を宅内LANに接続するだけで、パソコンやスマートフォン、タブレット端末、スマート家電などをまとめて保護してくれる。月額使用料500円(税別)、初期費用無料で、個別にソフトをインストールしなくても、ウイルスなどの脅威から守ってくれるというものだ。
同サービスを推進する、ニフティカスタマーサービス部の佐藤淳之氏に
・遠隔操作などによる被害の実態
・同サービスの詳細
などについて聞いた。
–実際に、スマート家電などが遠隔操作されることによる被害は出ているのでしょうか。
佐藤淳之氏(以下、佐藤) 現実にお客様が被害に遭ったという事例はありませんが、リスクは常にあります。例えば、家の中に設置したルータのIPアドレスが漏れてしまえば、それを経由してネットワークに侵入される危険があります。無作為にIPアドレスを入力して試すような、悪意を持った人もいるかもしれません。
–このサービスは、一戸建てもマンションも対応可能なのでしょうか。
佐藤 対応可能です。
–他社との競合などはありますか。
佐藤 まだ、類似のサービスはありません。IoTの普及に先駆けてセキュリティ対策を進めるというのが、この取り組みです。ただ、いずれはいろいろな機器がネットにつながるという意識を多くの人が持っているので、さまざまな業界が動きだしているのは事実です。