拡大戦略の裏にある、“格安”で出遅れたKDDIの焦り
サービス面でもうひとつ、新たな施策となるのが「節約モード」の活用の幅を広げる取り組みである。節約モードに設定すると、通信速度が300kbpsにまで落ちる代わりに、高速通信容量を消費しないことから、UQ mobileではそれを活用することで、SNSが通信料無料で利用できることをアピールしている。
今回はその取り組みをさらに広げるべく、ワイヤレスイヤホンを用いてSNSを音声で利用できる「APlay」を提供することを発表。スマートフォンの操作に慣れていない人がSNSを利用しやすくするよう環境整備を進めている。
また、節約モードをより活用してもらうための施策として、UQ mobileでは「レコチョクBest」「KKBOX」といった有料の音楽ストリーミング配信サービスを提供することも発表。これらのサービスは節約モードの通信速度であっても十分楽しめることから、節約モードの活用の幅を広げる新しい取り組みとして、サービス提供するに至ったようだ。
さらにサポート面での大きな取り組みとなるのが、コミュニティサイト「UQ PLANET」の提供である。これはUQ mobileに関する疑問や質問などを相談し、解消してもらうための場として提供されるもの。MVNOのコミュニティサイトといえば、「mineo」ブランドでサービスを提供しているケイ・オプティコムの「マイネ王」が知られているが、マイネ王は比較的スマートフォンやMVNOに詳しい人が多く参加して議論が進められる傾向にあるのに対し、UQ PLANETはあくまで初心者を対象に、疑問を解決する場として活用してもらう方針だとしている。
UQ mobileはこれら一連の取り組みだけでなく、いっそうの販売拡大を図るため、テレビCMも強化。従来起用してきた「ピンクガチャ」と「ブルームク」に加え、女優の深田恭子さん、多部未華子さん、永野芽郁さんを起用したテレビCMを全国展開するほか、UQスポットの全都道府県展開などによってリアルでのユーザー接点を全国2000カ所にまで広げるなど、急速な拡大戦略を取ろうとしていることが分かる。