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しかしなぜ、UQ mobileは合併後、1年に満たない期間でこれほど急速に攻めの戦略を打ち出しているのだろうか。そこには親会社でもあるKDDIが、低価格帯のサービスで大きく出遅れていることが影響しているものと考えられる。ここ2年のうちに、「格安スマホ」に象徴される、低価格を求めるユーザー向けのサービスが急速に伸びており、ソフトバンクはワイモバイル、NTTドコモは同社の回線を用いた多くのMVNOを活用することでユーザー獲得を進めている。
だがKDDIは、昨年まで低価格を求めるユーザーに向けた明確な戦略が打ち出せず、急速に立ち上がる低価格帯のサービスで大きく出遅れていた。そこでKDDIは、UQ mobileを活用して低価格サービスの強化を図る方針を決めたと見られ、それがKDDIバリューイネイブラーとUQコミュニケーションズの合併、そしてUQ mobileのサービス急拡大につながっているものと考えられる。
低価格サービスの競争は、スマートフォンの「実質0円」販売の事実上禁止措置などの影響もあり、今後も一層過熱するものとみられる。そうしたなかにあってUQ mobileがどこまで存在感を高められるかは、KDDI自体の業績にも大きな影響を与える可能性があるだけに、大いに注目されるところだ。次々展開する新施策が、ユーザー拡大にどこまで貢献するのか、まずはその成果を見守る必要があるだろう。
(文=佐野正弘/ITライター)
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