懐かしい「ブラウザが無限に開く」ブラクラがスマホにも登場! 挑発メッセージ付きでイライラ!?
セキュリティ企業・トレンドマイクロのレポートによると、スマホにおける「ブラウザクラッシャー」被害が確認されているという。
ブラウザクラッシャーとは、ブラウザの脆弱性を突いたり、スクリプトを悪用したりして、ブラウザを利用不能状態にしてしまうものだ。ひいては、システムそのものをフリーズさせてしまうこともある。
具体的には、たとえばスクリプトを悪用して、新規ウィンドウが何個も開くようにしてしまう。ユーザーがこの仕掛けを持つサイトにアクセスすると、新規のウィンドウが無限に開くため、ブラウザを通常終了させることができない。そのうち、コンピュータの処理能力がパンクし、フリーズしてしまうというわけだ。こうなると、ブラウザを強制終了したり、システムを再起動するしかない。
こうしたブラウザクラッシャーは、略して「ブラクラ」と呼ばれる。インターネットの黎明期から、ブラクラURLが「2ちゃんねる」などに貼られ、それをクリックしたユーザーが被害に遭うという事例が続出した。
ブラクラは古典的な手口であり、基本的には、あやしげなURLはクリックしないようにしたり、セキュリティソフトを導入すれば防ぐことができる。ただ、それでも被害が根絶されることはなかった。
そして今回、Twitter上で新手のブラクラURLが拡散され、スマホで被害が生じていることが確認されたのである。これは、12年春ごろから登場しているが、今年3月上旬から急速に広まっているという。
トレンドマイクロの同レポートによれば、このURLにアクセスすると、スマホのブラウザで「今度は何度押しても消えませんよw(・∀・)ニヤニヤ」と書かれた挑発するメッセージボックスが表示される。ユーザーがメッセージボックスのOKボタンをクリックして消そうとしても、メッセージボックスは消えず、ブラウザは利用不能状態となる。
一方、ソフトウエア企業・BBソフトサービスのレポートによると、メールソフトと連携したブラクラが発見されている。このブラクラURLをクリックすると、サイトに仕込まれたスクリプトによって、メールソフトが次々と立ち上がり、しまいにはシステムをフリーズさせてしまうという。
このブラクラURLは基本的にパソコンをターゲットにしているとのことだが、スマホにも応用ができるようになっており、今後、被害が拡大する可能性が指摘されている。
スマホの普及によって、ブラクラの存在を知らないライトなネットユーザーも増えている。ブラクラという古典的な手口にひっかからないよう、あらためて注意を促す必要が出てきていると言えるだろう。
(文=宮島理/フリーライター)