近年のeスポーツの盛り上がりなどに応じて、家電量販店でのゲーミングPC売り場が一定の区画を占めるようになってきた。また、ソニー「プレイステーション5(PS5)」の品薄もあり、ゲーム用にPCを選択する人も増えてきている。
ひと口にゲーミングPCといっても、各パーツにこだわって自作する人もいれば、ショップやメーカーが販売しているPCを購入する人もいる。どちらのゲーミングPCにしたとしても必携アプリといえる「Epic Gamesストア」をご存知だろうか?
このアプリは、文字どおりEpic Gamesが運営するデジタルストア。スマホでいうApp StoreやGoogle Playに相当するものととらえていい。PCのデジタルストアには、マイクロソフトが運営するMicrosoftストアや、Valveが運営するSteamなどのデジタルストアがあるが、これと同列の存在だ。
このEpic Gamesストアでメインで販売されているのはPC用ゲーム。『フォートナイト』の成功後に配信市場に参入したデジタルストアとして後発組だが、ゲームユーザーにはお得なサービスを提供し続けている。
それは、毎週無料でゲームを配信していることだ。PC用デジタルストアでは、「フリープレイ」と呼ばれる一定の無料プレイ期間を設けてゲームを開放することがある。ただし、これは1週間~10日前後の間だけ無料でプレイできるという縛りがあるものだ。
しかし、Epic Gamesストアでの無料配信は、「無料配信期間内に入手さえすれば、あとは好きなときに無料でプレイできる」というゲームファンが望んでいるサービス。しかも、期間内にすることは入手ボタンをクリックするだけで、ダウンロードやインストールすら後からやってもいい。
ここまでサービスがいいと、無料配信されるタイトルはしょぼいものでは?と思う方もいるだろうが、そんなことはない。過去には『サムライスピリッツ』『アサシン クリード シンジケート』『バットマンシリーズ』『シティーズ:スカイライン』『ヒットマン』『シヴィライゼーションVI』など、名作と呼ばれるタイトルも多数無料配信された実績がある。
また、2020年末~2021年初頭にかけては、日替わりでゲームを無料配信したこともある。その際にも『トロピコ5』や『ジュラシック・ワールド・エボリューション』など、じっくりプレイできるタイトルも含まれていた。
2021年もこのサービスは続いており、1月には『Star Wars バトルフロント II』が無料配信された。これらのゲームは体験版ではなく、通常販売されているフルバージョン。さすがに最新作が無料配信されることは基本的にないが、2~3年前のビッグタイトルが惜しげもなく提供される。
これらの無料配信ゲームの入手には、『Epic Games Launcher』というアプリを使う。PCでこのページアクセスして無料ダウンロードし、登録さえすればすぐにサービスを受けられる。
毎週提供される無料ゲームのほかにも、基本プレイ無料のゲームも用意されている。eスポーツでも人気の『フォートナイト』や『ロケットリーグ』をはじめ、さまざまなジャンルのゲームをラインナップ。デジタルストアなので、有料販売タイトルもある。品揃えは先発のSteamには及ばない印象だが、独占先行配信タイトルなどもある。
実際、私はEpic Gamesのサービス開始当初から無料ゲーム配信の恩恵を受けているが、とても遊びきれないという、うれしい悲鳴に似た感想を持つ。容量の大きいゲームもあるため、SSDを追加で買い足したほどだ。
緊急事態宣言で不要不急の外出自粛がスタンダードとなっている現在、自宅にいながらにして無料でフルバージョンのゲームを毎週の楽しめるこのサービスは、ゲーミングPCユーザーなら必携のアプリといえる。