チャンネル登録者数111万人を誇るラーメン系YouTuberのSUSURUが、気になる「企業案件の相場」を明かしたことが話題になっている。YouTuberの広告収入が激減しているといわれる一方、人気配信者となれば企業案件で大金を手にすることができるようだ。
SUSURUは「毎日ラーメン健康生活」をテーマに全国のラーメンをすすり続け、2000日以上も連続でラーメン店の紹介動画を配信したことで「ラーメン系YouTuber」の頂点に立っている。18日、SUSURUは人気ラーメン店「王道家」の公式YouTubeチャンネルで公開された座談会動画にゲスト出演し、人気ラーメン店の店主から「ぶっちゃけいくらもらってるの?」という質問を受けた。
SUSURUは「チェーン店は別にして、ラーメン屋さんからの案件はマジで受けない。基本的に普段動画を上げている店舗は、全部自分で行きたいと思ったところを選んでやってる。だから、ラーメン屋さんからお金をもらって…みたいなことはないんですよ」と断言したが、業界内では「SUSURUは30万円で来てくれるらしい」という噂が流れているという。有名ラーメン店の店主から「俺は100万円で来てくれるって聞いた」と告げられると、SUSURUは「ラーメン屋さんからもらうことはマジでない」としたが、自身の案件相場については否定しなかった。
さらに、SUSURUは「普通に企業さんとお仕事する時はもらうんですけど。今年だとサントリーさんとやらせてもらったり、今はキャベジンの動画を作ってるんですけどね、僕の登録者数からしたら100万円ってめっちゃ安いんですよ」と告白。一般的な相場は「その人の勢いとかにもよりますけど、登録者数の2倍、3倍ってザラなんですよ」とし、自身は個人事務所なので相場よりかなり低めの価格に設定していると語った。つまり、登録者数が100万人のYouTuberなら企業案件ひとつで200万~300万円が相場ということになる。
最近はYouTuber業界で景気の悪そうな話ばかり聞こえてきており、登録者数181万人の人気YouTuber・ラファエルは11月末にゲスト出演した「令和の虎CHANNEL」の動画で、「広告収益は10分の1に落ちてます。ほとんどのYouTuberがそうだと思います」と発言。「もともと広告費のパイは決まっていて、視聴者は増えているんですけど、それ以上にYouTuberが増えている」「YouTubeは残ると思うけど、YouTuberというビジネスモデルはそのうち終わる」などとも語った。
再生数の減少などから活動休止や解散の道を選ぶYouTuberも増加。YouTubeの広告自体も、単価が低いといわれる健康・美容系や情報商材系が増えていると指摘され、YouTuberの“バブル”が終了したと見る向きもある。
だが、これには異を唱える声も。実業家の「ホリエモン」こと堀江貴文氏は配信サービス「ZATSUDAN」のYouTubeチャンネルで配信した動画で、「みんな相当収入が減ってるでしょ。でも俺のYouTubeは、観ている人たちの平均年収が高いからさ。ここ数カ月はアメリカのGAFAM株崩壊みたいなのがあって広告減ったけど、そこまでじゃない」とし、収益にほとんど変化はないと明かした。視聴者層や動画の内容によって広告の種類・単価が変わるといわれており、堀江氏は「たぶん、バカ向けの広告が減ってるんだと思う」と独特の表現で分析している。
今回取り上げた発言を総合して考えると、以前のようにただ目立って登録者数を増やせばYouTubeからの広告収入で億万長者になれる……という時代が終わり、動画のターゲットや内容を精査した上で広告単価を維持し、企業案件などもこなしながら立ち回るというビジネスモデルへと変化していく過程で、淘汰が起こっているように見える。いずれにしても、YouTuberをはじめとした動画配信ビジネスは大きな変革期を迎えることになりそうだ。