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上位にRubyやJavaScript…人気プログラミング言語・順位に異変?

文=Business Journal編集部、協力=田中健太/データアナリスト、鶴見教育工学研究所
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プログラミング言語「Ruby」のマーク

 企業情報データベース「SalesNow DB」を提供するSalesNowは、ウェブ上で公開されている求人情報を「SalesNow DB」で独自収集した結果に基づき人気プログラミング言語ランキングを公表。「C」をおさえて2位に「JavaScript」、5位に「Ruby」がランクインしていることなどが注目されている。ネット上では

<Ruby使ってる企業とかあるの?>
<PythonやRuby、仕事で使う?>
<C言語がないのは何で?>
<まだしばらくJavaの需要なくなりそうにない>
<PHPそんなに仕事ある?>
<一番人気はSQLじゃない?>

とさまざまな反応が寄せられているが、同ランキングでみられる動きは異変といえるのか。また、このランキングから見えるプログラミング言語をめぐる最新動向とは何か。専門家の見解を交えて追ってみたい。

 今回のランキングは以下のとおりとなっている(出典元:SalesNow DB/調査対象期間:2023年1月1日~12月31日)。

 1位:Java
 2位:JavaScript
 3位:PHP
 4位:Python
 5位:Ruby
 6位:C#
 7位:TypeScript
 8位:Go
 9位:Swift
 10位:C++

 類似のランキングは多いが、たとえばオランダのソフトウェア品質評価会社・TIOBE Softwareが発表した「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス(2024年5月版)」では以下順位となっている。

 1位:Python
 2位:C
 3位:C++
 4位:Java
 5位:C#
 6位:JavaScript
 7位:Visual Basic
 8位:Go
 9位:SQL
 10位:Fortran

JavaScriptとは?

 今回のSalesNow DBのランキングは、国内で公開されている企業の求人情報を基に作成されたものだが、たとえばJavaScriptが2位につけている点にさまざまな反応が寄せられている。データアナリストで鶴見教育工学研究所の田中健太氏はいう。

「調査対象となっている求人情報はIT業界に限ったものではなく、企業全体となっているので、社内のシステム部門の求人なども含まれており、必然的にJavaやC#が上位にくる結果となっています。その前提でお話しをしますと、まずJavaScriptはスクリプト言語の一種で、ウェブアプリケーションの画面の見た目をいじったり、使いやすくするためのもので、ウェブアプリ開発では必須の技術です。ステップ・バイ・ステップで少し実装したら、すぐに動かしてみて修正を加えるといったかたちで比較的簡単に開発を進めることができます。日々、機能バージョンアップが重ねられており、ブラウザ上でも動き、できることが増えています」

 また、フリーのプログラマーはいう。

「IT業界に限ってみれば、最近だとJavaScriptとその実行環境であるNode.js、JavaScriptフレームワークのNext.js、JavaScriptをベースにマイクロソフトが開発したTypeScriptの採用ニーズが増えているという印象です」

 Rubyが5位につけている点について、SNS上では

<Ruby?>

<Rubyはなんだかんだ強いなぁ>

<Rubyは最近盛り返しつつある>

といった声もあがっている。ちなみにRubyは日本で開発されたオブジェクト指向スクリプト言語であり、国内では多くのウェブサービスで利用されている。

「Pythonなどと同じレベルで、実現できることの範囲が広い言語です。フレームワークであるRuby on Railsはウェブアプリを開発する機能を豊富に備えており、比較的小さなウェブ開発で使われており、開発を受注する小規模な会社から多くの人材募集が出て、結果的にランキングで上位にきているのだと思われます」(田中氏)

なぜCが上位10位内ではないのか

 TIOBEのランキングでも2位で、メジャーな言語とされるCが上位10位内に入っていない点も注目されている。

「組み込み系で広く使われており、製造装置の稼働・制御に必須のプログラム言語ですが、メーカーはCに詳しいエンジニアを社内で育成することが多いため、あまり外部に求人を出さないでしょう。

 ちなみにC#はCとは別物で、外部に向けて公開され一般ユーザが直接使うアプリ開発などで使われます。Webアプリも開発でき、現在発展のスピードが速く、できることが増えつつあります。ITベンチャー企業などが積極的に求人を出しているため上位にきているのではないでしょうか」(田中氏)

 これからプログラミング言語を習得しようと考えている人は、どの言語から学べばよいのか。

「まず、将来的に自分がどの業界で働きたいのかを考えるべきです。たとえばIT業界であれば最先端でニーズも多いPythonなどがよいかもしれないでしょうし、IT業界以外で社内の基幹システムの運営・開発を行うのであればJavaなどが候補になるでしょう。どのような業界でどのような仕事をしたいのかによって違ってくるため、一概にはいえません。ただ、AIやセキュリティなど、現在においてニーズが高まっている分野というのはあるので、そうした動向も意識するとよいかもしれません」(田中氏)

(文=Business Journal編集部、協力=田中健太/データアナリスト、鶴見教育工学研究所)

田中健太/データアナリスト、鶴見教育工学研究所

田中健太/データアナリスト、鶴見教育工学研究所

東京工業大学大学院 博士課程単位取得退学。ITベンダー系人材育成サービス企業で、研修開発、実施に従事。クラウド、IoT、データサイエンスなどトレンド領域で多数の教材作成、登壇。リサーチ会社でデジタルマーケティング領域のデータ分析に従事。アンケート、アクセスログ、位置情報、SNS等を組み合わせた広告効果の分析を行った。現在は、フリーランスとして教育の領域で活動。
鶴見教育工学研究所

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