若者を中心にブレイク中のコミュニケーションアプリ「LINE」
今、iPhoneやAndroidなどのスマートフォンユーザーの間で、「LINE」が大ブレイクしている。
「LINE」とは、通話やメッセージのやりとりができる無料アプリのこと。できることは、従来のアプリと変わらないのだが、2011年にサービスを開始して1年足らずでユーザー数が急増。国内だけでも2000万人、世界中で4500万人ものユーザーが利用している。
メッセージのやりとりなら、メールやTwitter、SNSといった手段がある。無料通話も「Skype」などのアプリが古くから使われている。そんな中で「LINE」がブレイクしたのは、友人とのつながりやすさが大きな理由だ。
LINEをスマホにインストールすると、最初に端末内のアドレス帳を取り込む。そして、アドレス帳に登録されている相手を自動的に友達としてしまうのだ。一般的なSNSでは、登録直後は友達がいない。名前やメールアドレスを元に、リクエストを送信し、認証してもらう必要がある。Twitterでもフォローの操作が必要だ。「LINE」はインストールしたら、即充実した友達リストが利用できる。相手にもインストールしたことがわかるので、すぐにコミュニケーションを始められるのだ。
この手軽さのため、「LINE」はどちらかというと、デジタルに疎い層を一気に取り込んだ。中高生をはじめ、大学生で友達が多い人たちの間に広まっている。女性ユーザーが多いのも特徴だ。インターフェースがわかりやすく、かわいいスタンプが用意されているのも大きなポイント。クールなクマの「ブラウン」やツンデレうさぎの「コニー」といったキャラクターのスタンプをワンタップで送信できるのだ。絵文字と同様に、気分や雰囲気を伝えるのに適しており、楽しくコミュニケーションできる。スタンプは追加することが可能で、「エヴァンゲリオン」や「ハローキティ」などのスタンプが有料でダウンロードできる。
筆者も仕事のために当然アカウントを所有していたが、なじみのレストランや顔見知り程度の知人、何年も会っていない古い友人からメッセージが届くようになった。SNSでつながってプライバシーを晒し合うほどではないが、気軽にメッセージを送れるためだろう。
アドレス帳の全データをサーバーに送信していることは忘れずに
「LINE」をはじめる前に理解しておきたいポイントがある。最大のメリットであるアドレス帳のマッチング機能だ。「LINE」は個人情報の塊であるアドレス帳の全データをNAVERのサーバーに送信している。もちろん、ユーザーの同意の下だが、きちんと認識しておきたいところ。
もちろん、おそらくトラブルは起きないだろうし、悪用されるようなこともないはずだ。あまり過敏になってもしょうがないとはいえ、これまでもさまざまな大企業がメールアドレスなどの流出事件を起こしてきた。アドレス帳のデータをネットにアップする際は、きちんとリスクを認識しておこう。
また、つながりたくない相手とつながってしまうのも問題だ。元カレ元カノや絶縁した友人、怖い先輩、元の会社の上司なども、アドレス帳に登録されていればつながってしまう。さらに、「LINE」は全ユーザーのアドレス帳データを元に、「知り合いかも?」と知人の可能性がある人をリストアップしてくれる。ある人とアドレスを交換していなくても、共通の友人が何人かいると、先方の「知り合いかも?」にこちらの存在が表示されてしまう可能性があるのだ。
そこで、悩ましいアドレス帳をお持ちの皆さんにお勧めなのが、アドレス帳をアップロードせずに利用する方法。初期設定の際、アドレス帳のデータを「今は利用しない」としておけばいい。友達の「LINE」ユーザーからはIDを教えてもらって、つながることができる。これなら、手間はかかるものの、しがらみからは解放される。心置きなく「LINE」デビューしてはいかがだろうか。