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ネズミ捕りに“必死の”警察の謎 やっぱりノルマが!素直な主婦や若者を狙い撃ち?

文=千葉雄樹/A4studio
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ネズミ捕りに“必死の”警察の謎 やっぱりノルマが!素直な主婦や若者を狙い撃ち?の画像1高速道路上の自動速度取締機(「Wikipedia」より/Shift)
 5月11~20日の間、交通安全思想の浸透を図る「春の全国交通安全運動」が今年も実施され、期間中は全国各地で一斉に路上に設置された測定器が速度違反した車両を感知し、その先の取り締まり現場で検挙する「有人式一般速度取り締まり」、いわゆる“ネズミ捕り”が行われた。

 しかし、このネズミ捕りについて、世間では不満が噴出している。特に多いのは「なぜ、事故の恐れが低そうな道路でも取り締まりを実施しているのか」という声だ。

確かに、道幅が広くて見通しも良く、交通量も少ない道路でネズミ捕りを行っているのを見かけることがある。なぜ、このような場所で実施するのだろうか?

 そこで、交通ジャーナリストの今井亮一氏に話を聞いた。

「警察は『事故がよく起こる場所で取り締まりをやっている』などと言いますが、実際に取り締まりをしているのは、事故が起きた場所の先のほうだったりします。なぜかというと、違反車を引き込んで切符を切れる場所、公共の駐車場のように車を一時的に停車させられる場所が近くにないといけないわけです。つまり、交通事故の件数や危険性だけでネズミ捕りができるわけではないのです。取り締まりがしやすい場所で取り締まっているといえます」(今井氏)

批判をかわすための通達

 また、ネズミ捕りについて議論する際によく挙げられるのが、1967年8月1日に発出された警察庁依命通達(警察庁乙交・警察庁次長)の存在だ。これには、次のように記載されており、ネズミ捕りのような取り締まりを禁止しているように取れる。

「交通指導取締りにあたっては、いわゆる点数主義に堕した検挙のための検挙あるいは取締りやすいものだけを取締る安易な取締りに陥ることを避けるとともに、危険性の少ない軽微な違反に対しては、警告による指導を積極的に行うこととし、ことさら身を隠して取締りを行ったり、予防または制止すべきにもかかわらず、これを黙認してのち検挙したりすることのないよう留意すること」

 ちなみに警察庁に上記の通達について問い合わせてみると、「現在、その通達は文書保管期限が切れ、再通達も出されていないので、なんともいえません」との回答だった。つまり、事実上“廃止”されたということだ。では、なぜこの通達は発出され、また廃止されたのだろうか。

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