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あの有名大企業、驚愕の退職強要!マニュアルを使用、拒否すると業務不明の部署へ異動

文=関田真也/フリーライター・エディター
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 オリンパスからの退職勧奨を拒否したことで不当な配置転換を命じられたとして、同社社員の石川善久氏が退職勧奨と配転の違法及び無効確認を請求していた裁判で、東京地方裁判所は7月9日、原告の請求をすべて棄却する判決を下した。事実をどのように評価するかは議論が分かれるところだが、一般的な感覚からすると、“報復人事”とも考えられる会社の行為について、裁判所が「違法ではない」とのお墨付きを与えたかたちだ。

 今回の判決について原告代理人の光前幸一弁護士は、「裁判所は、会社の主張だけを鵜呑みにし、出来事の表層しか捉えようとしない」と憤りを隠さない。一体、どのような判断がなされたのだろうか。

 今回の訴訟の原告である石川氏は、入社以来技術開発職に従事し多数の特許を獲得するなど多くの実績を上げていたが、2012年に執拗な退職勧奨を受けた。石川氏は第1回の面談の時から、このリストラ策は巨額の不正会計の発覚を原因とする経営危機を理由とするものであり、「幹部社員が責任を取らずに末端従業員に退職を求めることは理不尽」と指摘し、退職の意思がないことを明言していた。さらに、希望退職受付の締め切り前日にも上司からの再考を促すメールを受け取ったが、これには応じず退職勧奨を拒否し続けた。

 しかし、その2カ月後、新設された品質教育の部署に異動を命じられる。この新設部署には、別の社員であるH氏が、1人で「リーダー」として勤務することが内示されていた。H氏は、以前オリンパスの内部告発をした後、まったく未経験の部署へ異動させられたため、配転の無効を求めて訴訟をしていた。その訴訟は12年6月に最高裁判所でH氏の勝訴が確定したが、正当な職場への復帰やその他の不利益の回復はされないままだった。そして、「実際には、部下もいない名前だけの部署にチームリーダーとして配属された」として、同年11月、配転の不当性を主張して再提訴していた。そこに石川氏が部下として配属されることになったのだ。「石川氏の異動は、H氏の新たな裁判において、会社に有利な事実をつくるために利用されたものだった」と光前弁護士は言う。

「部署は12月1日に新設されていましたが、この時には異動が間に合わず、石川氏は13年1月1日からの配属となりました。人員の配置が決定されないまま、部署だけが先に新設されることは、極めて異様です。しかも、新設された部署の業務内容も不明で、H氏と石川氏はなんの仕事をするかの業務探しから始めることになったのです。結局、H氏や石川氏らが探し出した業務が、設置10カ月後に部署の職務分掌として変更されるという異例の事態となりました」(同)

 明確な業務目的もないのに部署だけが存在し、会社を相手に訴訟を起こした2人が在籍することになったというのは不自然極まりない。しかし、裁判所はこれらの事実について言及することなく、石川氏の配転に裁量権の逸脱、つまり不当な動機はないとしている。

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