韓国人の男が日本から来た観光客の女性に暴行した事件が波紋を広げている。被害者の女性はツイッター上に、男が罵声を浴びせながら女性につきまとう動画や、女性の髪をつかみ地面に倒している衝撃的な写真を公開。女性は韓国のファッションやアイドル、コスメなどを積極的にSNSでPRするインフルエンサーだったこともあり、日韓両国から男の言動に批判が殺到している。男は韓国の複数メディアの取材に対して「日本に対して悪い感情を抱いていない」などと話しているが、本当にそうなのか。日本国内の韓国人にこの事件に関する受け止めを聞いてみた。
朝鮮日報や韓国のテレビ局SBSなどによると、事件は23日、ソウル市弘大入口駅近くの路上で発生した。友人らと路上を歩いていた女性(19)は、件の男(33)からナンパされたのだという。女性は韓国語がよくわからなかったので無視していたのだが、男が突然激高し始めた。前述の公開された動画では、ハーフパンツの日に焼けたいかつい男が女性に対して何かをののしりながら「チョッパリ!」と連呼しているのが聞き取れる。事件発覚後、自身の言動が問題だと思ったのか、男はこの動画に関して「女性が加工し、捏造したものだ」と主張したが、昨日、韓国警察は加工、捏造を否定した。
韓国人にとっての「チョッパリ」とは
「チョッパリ」とはハングルで日本人の蔑称だ。日本人が親指と他の指を鼻緒で分ける下駄をはいていたことを風刺したれっきとした「差別用語」で、公的な場やマスコミなどでの使用は禁止されている。
ナンパを断られたからといって、いきなり人種や民族に関する差別用語を連呼し始めるのは異常だ。仮にナンパを断ったのが、スイス人やフランス人だったら同じように差別用語を吐き捨てるのか。韓国人からするとそれは「日本に対して悪い感情を抱いていない」場合でも口から出るものなのか。
仙台市でIT系企業に勤める在日韓国人男性(34)は、「加害者の男は日本が好きなのではなく、日本の女性が好きなだけ。国籍を問わずに会った女性を食い物にする非常識な奴です。韓国の恥」と憤る。
では、日本に対して悪感情がなくても「チョッパリ」という言葉は出てくるのかを聞いたところ、「ああ、それは…。アルコールが入ったり、サッカーを見たりしているとよく口に出す人もいます。日本はいろいろな意味で韓国人にとって特別な存在というか。さげすんでいるのではなく、対抗意識というか、こんちくしょうというか、そういう感情だと思うんですが」と申し訳なさそうに話した。
東京都新宿区内で焼き肉店を経営する韓国籍の男性(56)は「若い世代はあんまり使わなくなってきたような気もする。兵役中には訓練で、上官から『北朝鮮に絶対負けるな』とか『日本に侮られるな』とか煽られる。そういう場で『チョッパリ』という言葉も吐かれて、自然に頭に染みつきます。それに最近の日韓問題が関係はないわけはない。在日の我々にも最近、『パンチョッパリ』と言ってくる人もいるので、本国の人はとにかく日本的なもの全般に対する反感があるんじゃないか」と話す。
被害女性は25日夜、ツイッターに「今日の午後、警察に事情聴取に行きました。その際に急に体調が悪くなり救急車に運ばれました。病院で検査受けた結果、命に別状はありませんが頭を強く打った影響で、首と右腕が麻痺しており今後の生活に支障が出る可能性がある為、通院する必要があると言われました(原文ママ)」と投稿。身体的な被害も軽くない。
時期が時期だけに単なる暴行事件で終わらすことはできないだろう。韓国警察当局による今後の捜査が注目される。
(文=編集部)