消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
13年のシャングリラ会合で、アメリカは中国の南シナ海における人工島建設および領土拡大について、強い口調で非難した。フィリピンやベトナムといった南シナ海の周辺国も、アメリカに同調するかたちで中国を非難している。当然、日本も同じである。
この時、中国は「人工島の建設はやめる」と表明したが、実際は中止されることなく、今も継続されている。そして、14年5月には、南シナ海の西沙諸島で中国の海底油田掘削をめぐり中国とベトナムの船舶同士が衝突する事態になり、一気に緊張ムードが高まった。
そして、昨年5月のシャングリラ会合でも、この問題が再燃した。アメリカのアシュトン・カーター国防長官は、中国の南シナ海での人工島建設について、「地域における緊張の元凶だ。その速度や規模に深く憂慮している」「即時かつ永続的に埋め立てを中止することを望む」と厳しく非難した。
この席でも、中国は「現在、人工島の建設は中止している」と述べていた。しかし、実際は急ピッチで進められているばかりか、現在は滑走路が3本もつくられている状況だ。
では、なぜ中国はそこまで南シナ海の領有権にこだわり、世界はそれを阻止したいのか。そのあたりの事情を、次回以降に見ていきたい。
(文=渡邉哲也/経済評論家)
『戦争へ突入する世界 大激変する日本経済』 中国経済の崩壊は、人民元の主要通貨入り、アメリカ利上げでどう進むのか? 難民とテロに苦しむ欧州で始まったユーロ分裂と対立の行方は? 南シナ海での米中衝突と、日本の中国・韓国包囲網による新たなアジア秩序とは? 動乱へと向かう世界のなかで日本経済に起こる大きな転換とは? 日本人が知らない世界の大変化と日本経済の今後を読み解く!
Business news pick up
RANKING
23:30更新関連記事
2024.10.22 06:00
2024.10.05 06:00
2024.10.04 18:50
2024.10.02 06:00