学校現場での体罰の実態調査を求める。
(1月11日付朝日新聞より)
このほかにも、学校教諭が教育現場で事件を起こすケースは多い。文部科学省の調べによると、平成22年度に事件の「当事者責任あり」として懲戒処分を受けた学校教諭の数は905人。訓告等及び諭旨免職まで含め、懲戒処分等を受けた数は4,304人に上る。
加えて、今回の桜宮高校の事件により、文科省が把握している以外にも、処分対象になっていないが、問題行為を起こしている高校教諭らが多数に上ることが発覚している。
●「塾に行かせないから悪いんです」(学校教諭)
また、生徒やその保護者たちによれば、義務教育過程である小学校や中学校においても、不祥事とまではいかないが、学校教諭の問題発言、問題行為は多いという。表沙汰にならないのは、義務教育期間中は進学時に評価の対象となる内申書をつくるのが担任教諭だからである。そのため、受験、進学のために、生徒も保護者も、教員や学校の言いなり、さらにはごますり合戦となり、本来は相談すべきである教育委員会、警察、児童相談所の窓口を訪れることもない。問題は深刻化する一方である。
一例ではあるが、息子が通っていた西ヶ原駅に近い北区(東京都)の公立中学校で、実際に私が教員の口から聞いた発言には、次のようなものがある。
「いや、うちの中学では“死ね”は学校内の挨拶ですからね」
「家の前に置いている自転車の空気を、同級生が抜いているのは知っていました。でも、その程度のことでしょう。だったら、自転車の空気を初めから抜いておいて、出かける前に自転車に空気を入れるように、お子さんを指導したらいかがですか?」
「無断欠席が1週間以上続いていますよ。お知らせしなかったのは、知っていたと思っていたからですよ。学校には、無断欠席を知らせる義務はありませんよ」
「授業がわからない、成績が上がらないのは学校のせいではないですよ。塾に行かせないからです」
「生徒の落とし物を拾いました。だから取りに来るようにハッキリ言いました。でも、僕の保管が悪くてなくなってしまった。そのあと取りに来られても、僕の責任じゃないでしょう」
「英語の代理の先生ねぇ~。たしかに教え方はヘタですよ。でも、そういう人間もいますから、我慢してください。わからないとこは塾にでも行ってください」
「補習? ほかの生徒との差別化はできないですから、塾に行かせてください」
「金管部に入部しないのが悪いのよ。私が顧問をやっているのに。入部したら、内申書はよくするに決まっているじゃないですか」
さらに、実際に私が理科支援員として都内の小学校で仕事をしていた時にも、現場の学校教諭から驚くべき言葉を多く聞いた。
「授業態度はどうあれ、テストの点数がよいなら悪い点(内申)はつけられないから」
「少しぐらい寝たり、騒いだりしても、みんな塾で疲れているから、学校ではゆっくりさせてやりたいの」
「塾で勉強しているから、授業は聞かない。だからプリントを配っておけばいいのよ」
公立の小学校では、子どもは塾に行くのが当たり前という学校教諭たちの発言だ。
●高校では使い込みに生徒数水増しまで…
また、学校教諭による問題行為は、高校でも多く見られるようだ。
一部のマスコミ報道でも話題になった、千葉県の私立高校の話を例に出そう。名門進学校として名が知れているこの学校では、PTAからの指摘により、学校関係者らの修学旅行積立費の使い込みが発覚。さらに、平成22年度から施行された高校の授業料無償制をいいことに、生徒の人数の割り増しまで行われていたという噂まで広がった。