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荒川・江戸川の水質改善の最善手は、下水道を合流式から分流式に切り替えることだ。分流式とは雨水・汚水を区別して処理する方式のため、雨が降っても雨水と汚水が混ざることがない。
しかし、東京23区はインフラ整備を急ぐあまり、昭和30年代に安上がりな合流式で下水道を整備した。1970(昭和45)年に下水道法が改正されて、下水道はようやく分流式で建設されるようになったが、現在でも合流式で整備した下水道が広いエリアで稼働している。東京都内の下水道が分流式に切り替わるには、あと30年以上かかるともいわれる。
さらに埼玉県や千葉県、茨城県からの生活排水も荒川・江戸川を汚染し、それが東京湾に流れ込む。いくら東京都がひとり奮起しても他県が水質改善に着手しなければ、その努力はすべて水の泡になる。
水質改善は着実に進んでいることは事実だが、そうした事情もあって、水質改善に取り組みながらも冷ややかな目で見ている東京都の職員もいる。
一昨年、東京都は“東京湾での海水浴”を実現するため、庁内にプロジェクトチームを立ち上げている。プロジェクトチームでは、2016年までの計画を策定し、それを目標に水質改善を進めている。今年は、その最終年にあたる。つまり、今年の結果が来年の海水浴場開設の可否を決める。
果たして、都民が海水浴を楽しめる日はくるだろうか。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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