安倍首相の吐血報道で永田町に異変…“石破首相”阻止のために突然辞任→岸田政権発足も
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
最近、姿が見えないと話題だった安倍晋三首相ですが、実は体調不良だったようですね。週刊誌「フラッシュ」(光文社)が、安倍首相が官邸で吐血したと報じました。真偽はわかりませんが、高熱が出たことは事実のようです。安倍首相には持病もありますし、心配ですね。「総理の年内辞任希望」派による健康不安説流布という陰謀だとか、菅義偉官房長官や二階俊博自民党幹事長のリーク説もありますが、お大事にしてほしいと思います。
これもあって、安倍首相がひとりで突っ走っていた感のある「年内解散総選挙説」は、永田町では「1000%ない」と言い切る人が増えてきました。
「いくら自民党が支持率的に現状維持できそうだとしても、新型コロナウイルス感染症対策で経済も落ち込んでいる。総理の都合だけで選挙をしても、感染リスクと生活の二重の苦しさを味わっている国民の理解は得られない」という考えが、与党内で広がっているからです。
「総理の年内辞任希望」には、どうしても「(自民党の一般党員からの人気が高い)石破さんを総理にしたくない」という気持ちも働いているようです。きちんと任期を終えて、総裁選挙を行い、全国の自民党員にも投票に参加してもらうと、石破茂衆議院議員が総裁になる可能性が高まります。自民党の国会議員のみなさんは、なぜか石破総裁だけはどうしても阻止したいようで、安倍首相が突然辞任→政治の空白期間をつくれない→国会議員だけの投票で次期総裁決定、を狙っています。
いわゆる「派閥の論理」ですね。これで、自民党のドンたちの思惑通りの総裁が誕生します。この段取りで岸田文雄政務調査会長の総裁就任を狙っているようですが、どうなるでしょうね。「次期総理」の声もある菅長官も、あの手この手でがんばっていますからね。
とにかく「国会議員の都合優先」で日本の首相が決まってしまうとしたら、とても残念です。「国民ファースト」で政策を打ち出せる人に就任してもらいたいと思います。それが石破さんかどうかは神澤には断言できませんが……。
吉村知事の“イソジン騒動”の舞台裏
存在感が日に日に薄くなる安倍首相に対し、逆に圧倒的な存在感を放っているのが大阪府の吉村洋文知事ですよね。最近では、コロナ対策として「イソジン」などのうがい薬の使用を呼びかけたことで、大論争が巻き起こりました。
この発言の影響力に一番驚いたのが、吉村知事ご本人だとか。記者会見に同席していた医師は「コロナ対策に効果があるかどうかはデータとしてまだ不完全」として公表を渋ったそうですが、吉村知事は「いい話なので、僕が責任を持ちますから」と言って、「嘘みたいな本当の話」として公表したのだそうです。
歳がバレますが、神澤が子どもの頃は、イソジンは「家庭の常備薬」と言ってもいいくらいだったと思います。歯科医院などはうがい薬としてイソジンを処方していましたし、耳鼻科でも診察後に綿棒にイソジンを含ませて鼻の中を消毒していたそうです。
複数のドクターによると、現在の医学では、耳鼻科の診察後にイソジンで消毒するのは「意味がなかった」そうですが、イソジンでのうがいにより、のどに付着していたウイルスが細胞に入ってしまう前に洗い流されるので、「一定の効果はあると思う」とのことでした。
ただ、こういうご時世ですから、過剰に反応する人は少なくないですよね。吉村知事の発言を受けてイソジンを薬局で買い占めしたり、転売したり、メーカーの株を大量に購入して株価を上げたりしたことで、社会が混乱しています。もっと冷静に、きちんと話を聞くべきではないでしょうか。
吉村知事のお話は、客観的には「うがいと手洗いの励行が感染拡大と重症化のリスクを減らす」ということを再確認しただけです。「水だけよりもうがい薬を使われたほうがいいですよ」くらいのことですから、焦って買い占める必要などまったくないのです。
ここぞとばかりに吉村知事を批判しているコメンテーターのみなさんの発言を聞いていて、映画『コンテイジョン』を思い出しました。致死性の高い感染症の脅威とパニックを描いた2011年のアメリカ映画ですが、日本でも春に咲くレンギョウ(連翹)を使った薬で「回復した」という記事を書いて大儲けするフリーライターが登場します。そして、その記事を読んだ人々が薬局に殺到するシーンがありました。なんだか、それと同じですよね。
吉村知事は、「イソジンでうがいをすればコロナが治る」とか「予防できる」とは言っていませんよ、念のため。あくまでも「飛沫からの感染拡大を防ぐかも」「重症化を防げるかも」という話だけです。過剰に反応しないようにお気をつけください。
パニックが一番の恐怖ですから、吉村知事に対する批判よりも、きちんと自分で情報を理解するようにお願いします。もっとも、吉村知事も自分の発言の影響力をもっと自覚してほしいとは思いましたけどね。
感染の再拡大を受けて不安に思っている方も多いと思いますが、医療崩壊が起きないように、政府は今も必死にさまざまなことを整備しています。またここでも、ご報告ができるといいなと思います。
議員会館に「マサル」のぬいぐるみが登場
なんて書いていたら、議員会館内を人よりも巨大な犬のぬいぐるみが台車で移動しているところを目撃して、思わずなごんでしまいました。秋田犬の「マサル」のぬいぐるみです。マサルくんは、ロシアのフィギュアスケーターのアリーナ・ザギトワさんに日本から贈られた犬なので、ご存じの方も多いと思います。
2018年5月に、安倍首相夫妻とともにロシアでザギトワさんに直接マサルを渡した国会議員として、ちょっと話題になった秋田犬保存会会長の遠藤敬衆議院議員(日本維新の会)の秘書さんが台車を押していたんです。遠藤議員ご自身も、自宅で秋田犬を飼っているそうです。
ざわつく毎日ですが、わんこには癒されますね。とはいえ、「コロナ自粛でさびしいから」と安易に犬や猫を飼わないでくださいね。ボランティア団体によると、捨てられるペットが続出しているそうです。
(文=神澤志万/国会議員秘書)
『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。