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2013.07.18 15:49
2013.03.29 05:55
大塚将司「【小説】巨大新聞社の仮面を剥ぐ 呆れた幹部たちの生態<第1部>」第25回
大手新聞社長、巨額財テク損の存在を認める!? 合併相手の追及を受け…
「勘違いするな。村尾君、それは君や俺個人の問題だろ。俺が言っているのは会社の身体検査をしておきたい、ということだ」
「会社の身体検査ですか。…一体、なにをやるんですか」
「君も鈍いな。常々『KY』(器用で要領のいい奴)って言っているんじゃなかったのか」
「先輩、そんなにいじめないでください。昨日から体調が悪いんです」
「わかった、わかった」
松野はニンマリして続けた。
「つまりな、日亜の財務内容に嘘はないだろうな、ということだ。合併したら『こんな損が先送りされていました』なんてことがあっては、俺の立場がなくなる」
「ひどいですよ。先輩、僕を信用できないんですか」
哀願口調だった村尾が表情を変えた。
「そりゃ、君のことは信用しているさ。でもな、気になることがあったら、お互いに確認しておいたほうがいいじゃないか」
「それはそうですけど、一体、先輩は何を確認したいんですか」
「君のところな、リーマンショックの後に、デリバティブ(金融派生商品)で大損したという噂が流れただろう。損失は500億円程度になると言われていたけど、しばらくしたら、噂は立ち消えになった。一体、どういうことかと思ってな」
「その話ですか。ご心配無用です」
「根も葉もない噂だったのか」
「根も葉もないということはないです。でも、損失は500億円なんて金額じゃありません。多くても200億円くらいかな。それに、うち本体の損じゃありません。子会社のです。日亜経済出版社が財テクで失敗したんです」
(文=大塚将司/作家・経済評論家)
※本文はフィクションです。実在する人物名、社名とは一切関係ありません。
※次回は、来週4月5日(金)掲載予定です。
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