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ブランドタウンに飛躍
これまで、ダサい街・ガラの悪い街というイメージが強かった足立区だが、2005年につくばエクスプレスが開通したことなどにより、学園都市・つくば市とも直結。大学も立地することで、北千住は文教都市としての色を帯びるようにもなった。
こうした要因に加え、足立区は数年前から汚名を返上するべく犯罪率を下げる取り組みを強化してきた。実は、足立区は治安が悪いというイメージが流布しているが、刑法犯の発生件数は高級住宅街然としている世田谷区よりも少ない。
「足立区で発生している刑法犯の多くは、自転車ドロボーといった軽犯罪が大半です。しかし、足立区は治安が悪いというイメージが一人歩きしてしまっています。そうしたイメージを少しでも緩和するべく、足立区はまず自転車の窃盗を減らすことに取り組むことにしました。自転車の窃盗が起きやすいのは、なによりも駅前の放置自転車です。だから、まず放置自転車の撤去など、小さなことから取り組んでいます」(前出の足立区職員)
さらに、足立区は自転車の窃盗を未然に防止するため、“自転車の鍵かけ”を条例で義務化。同条例に違反しても特に罰則はないが、意識向上を促すことで自転車の窃盗件数を減少させる狙いがある。
再開発と負のイメージからの脱却。北千住を中心にして、人気が急上昇している足立区の反転攻勢はとどまることを知らない。三菱地所というパートナーを得て、足立区はブランドタウンに飛躍することはできるのか。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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