財務省の福田淳一事務次官が、女性記者にセクハラ発言をしたと12日発売の「週刊新潮」(新潮社)が報じた問題を受け、18日、福田氏は辞意を表明。さらに19日未明、テレビ朝日は緊急会見を開き、「(福田氏による)当社社員に対するセクハラ行為があったことは事実」と発表。さらに、被害を受けた社員が上司に「セクハラの事実を報じるべきではないか」と相談したところ、本人に二次被害がおよぶことを心配して「報道は難しい」と伝えていたことも明かし、「社員からセクハラの情報があったにもかかわらず、適切な対応ができなかったことに関しては深く反省しております」と釈明した。
「新潮」は福田氏が複数の女性記者にセクハラ発言を繰り返していたと報道。さらにニュースサイト「デイリー新潮」では、「抱きしめていい?」「手を縛ってあげる」「胸触っていい?」などの福田氏の発言とされる音声を公開している。この騒動に対して、福田氏はセクハラ疑惑を否定。「新潮社を訴訟する準備を進めている」と表明していた。
そして16日、財務省は記者クラブ加盟の女性記者に「福田氏から同様の行為を受けたことのある人は調査に協力をお願いしたい」と協力を要請。さらに、麻生太郎財務相は17日に「被害者本人が名乗り出てこなければ、確認しようがない」と発言し、記者からの「セクハラは名乗り出にくい」という指摘に「福田の人権は“なし”ってわけですか」と返答している。
こうした財務省や麻生財務相の対応に対し、インターネット上では次のような声が上がっていた。
「もしセクハラが事実だとして、被害者の女性に名乗り出ろというのは酷」
「麻生さんの発言は理解できなさすぎる」
「声をあげにくい事案なのに! 泣き寝入り狙いだろ」
「被害者が名乗り出たら、その人の人生がその後どうなるのか不安」
「女性側が出てこないことをいいことに強気に出たね」
「女性たちの生理的嫌悪感とプライドを甘く見過ぎている。あの会話がどれだけ嫌悪され、プライドを傷つけているのかをわかっていない」
さらに、財務省と麻生財務相の対応には、政府や与党からも批判の声が。野田聖子総務相は、財務省の協力依頼に対して「セクハラ被害者は家族にも相談できないのが現実だ」と発言。さらに、橋本聖子参院議員会長も「国民の感覚とずれている」と苦言を呈し、「国民が不信感を通り過ぎてあきれている状況は非常に良くない」とコメントしている。
一方、18日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)でタレントのデーブ・スペクターは、今回の騒動に対して「背景が不自然なのに、みんなが正義感ぶってどうこう言っているのは違和感を覚える」と持論を述べた。
いずれにせよ、テレ朝の会見を受け、セクハラ被害者に「名乗り出ろ」と要請していた財務省と麻生財務相がどのように責任を取るのか、注目を集めそうだ。
(文=編集部)