4月24日の閣議によって、セクハラ疑惑が浮上している福田淳一財務事務次官の辞任が正式に決定。麻生太郎財務相は一連の騒動に対して、さまざまな発言を繰り返し議論を呼んでいる。
ことの始まりは、12日発売の「週刊新潮」(新潮社)が福田氏の女性記者へのセクハラ疑惑を報じたことから。福田氏は疑惑について否定しており、麻生財務相は17日の会見で「被害を受けた記者が名乗り出ないと判断できない」と発言。記者からの「セクハラ被害者は名乗り出にくい」という指摘に、「福田の人権は“なし”ってわけですか」と答えていた。
さらに19日発売の「週刊新潮」は、「麻生氏が“(セクハラが嫌なら)次官担当を男性記者に代えればいい”と自派のパーティー後の懇親会で発言していた」と報道。ほかにも麻生財務相は、福田氏の辞任決定後の会見で「(福田氏が記者に)ハメられて訴えられているんじゃないかとか、ご意見はいっぱいある」ともコメントしている。
これらの発言に、ネット上では「麻生大臣の偉そうな態度には不快感しかない」「麻生のズレた発言の連発は、この人間の本質が男尊女卑そのものであることにほかならない」「麻生さんの発言、恥ずかしくないのか自民党」「女性の活躍促進っていうのはポーズだけ?」「女性が暗い道を一人歩きして“セクハラ被害に遭うのは女性のほうが悪い”って言ってるようにも感じる」といった声が続出している。
また、毎日新聞社取締役の小川一氏はTwitterで「立場ある人がセクハラをセクハラと認めず被害者を加害者のように言い募ることに驚きを禁じ得ません」「あげく女性記者の取材を規制のような議論まで出ています。『女性活躍』とはいったい何だったのか政権としての総括をし、セクハラを許さない姿勢を明確にすべきだと思います」とツイート。さらに世田谷区長の保坂展人氏も、Twitterで「この内閣は『女性活躍』を掲げていて、彼はナンバー2であることを思い出した」と皮肉めいたツイートを投稿していた。
一方で、23日に産経新聞社とFNNが行った合同世論調査では、麻生財務相の進退について「辞任の必要はない」が49.8%で、「辞任すべきだ」の45.6%をわずかに上回る結果に。ネット上には「セクハラと決まったわけでもないのに、麻生さんに辞任を求めるなんておかしい」「ちゃんと調査してから進退について考えるってことでいいと思う」「麻生大臣は国民が選挙で信任した国会議員。麻生氏自身に違法性がない以上、調査を進めるのが先でしょ」といった意見も上がっている。
自民党・竹下亘総務会長は麻生財務相について、「大臣の責任の取り方は辞めるのも一つだし、しっかりと解明していくのも一つだ」と意見を述べた。24日の会見で麻生財務相は自身の進退について「考えていない」との考えを明らかにしている。野党6党の国対委員長は、麻生氏辞任などの要求が実現しない限り国会審議に応じない方針を示しているが、国政の行方はどうなるのだろうか。
(文=編集部)