【次官セクハラ】川合俊一「記者を男性にすればいい」発言、米国なら社会的立場失うレベル
財務省の福田淳一事務次官が、女性記者に対してセクハラ発言をしたとの報道を受け辞任したが、本件に関しては、さまざまな人が発言している。
4月21日放送のテレビ番組『あさパラ!』(読売テレビ)で元バレーボール日本代表・川合俊一さんは、女性記者がセクハラを受けたことに対して「じゃあ、(記者を)男性にすればいい」と発言し、ハイヒール・リンゴさんは「その認識なんですよ! 女に仕事を任せたらそういうことになる、と。女性にしたら、女も男と並んで一緒に仕事をしたい。だから、セクハラされるんやったら男に代える、という感覚は違う」と反論した。リンゴさんの正しい反論がなされていなければ、川合さんの発言は、さらにまずいことになっただろう。
また、自民党の長尾敬衆院議員が、黒い服の装いで「#MeToo」と書かれたプラカードを掲げ抗議する野党の女性議員らについて、「少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です」「私は皆さんに、絶対セクハラは致しませんことを、宣言致します!」とツイートし、のちに謝罪している。
セクハラ問題は人権問題
性的被害の体験を告白し共有する「#MeToo」ムーブメントの意味を、あらためて説明しておきたい。
2017年10月15日、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ疑惑に対して、女優アリッサ・ミラノが「被害者は声をあげよう」とTwitterの「#MeToo」ハッシュタグで呼びかけたのが始まりとされている。その10年前にも、黒人女性タラナ・バークが「Me Too キャンペーン」を展開していた。タラナは、恵まれない環境で生きる性的暴力被害者を支援する草の根活動として始めたとされる。
多民族・多言語のアメリカ社会だからこそ、彼女たちはキャンペーンを張らなければならなかったのだろうし、女性に対する多数の暴行事件などもあり、女性の人権に関する意識の高さも影響していたのかもしれない。
世界で初めて女性が参政権を得たのは1869年アメリカ・ワイオミング州であり、それまでは18世紀末のフランス革命で実現した普通選挙以降、参政権は男性のみと限定されていた。欧米で女性たちが努力して勝ち取り手に入れた権利であり、セクハラ問題はその延長線上にある「人権問題」だ。この視点が理解されがたい日本においては、セクハラ問題が軽んじられていると感じる。