永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

柳瀬元秘書官に自民党からも「不遜」と批判続出…野党の18連休で法案審議に支障

参考人招致に臨む柳瀬唯夫元首相秘書官(写真:AFP/アフロ)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 ゴールデンウィーク(GW)も終わり、ようやく国会正常化へ……と思ったら、またまた波乱が待ち受けていました。もちろん、加計学園問題です。

 5月10日に行われた参考人質疑で元首相秘書官の柳瀬唯夫(現・経済産業審議官)さんが愛媛県職員らとの“面会”についてあいまいな答弁を繰り返したことに対して、翌11日に中村時広愛媛県知事が記者会見を開いて反論しました。こんなに素早い対応は異例といえます。

 県としても、しっかり柳瀬さんの名刺を保管していて、すぐに出してきたのは、やはり“特別”な人だからでしょう。この会見によって、週明け14日からの衆参両院予算委員会の集中審議の紛糾が確定し、私たち秘書は卒倒寸前となりました。

議員も秘書も殺気立っている永田町

 1月22日から始まった第196回国会(常会)の会期は、6月20日までの150日間の予定です。土日を除けば、もう1カ月もありません。

 ようやく「起きた」(野党の審議拒否で審議が開かれないことを「寝ている」と言います)国会では、多くの法案が審議の順番待ちをしています。法案のほとんどは衆議院で審議され可決後に参議院で審議されるため、衆議院での審議日程は実質10日ほどしかありません。このあり得ない状況に、議員も秘書も殺気立っています。

 国会内には、総務・法務・外務などの常任委員会があり、議員は必ずひとつ以上の委員会に所属します。このほかに、災害対策や北朝鮮拉致問題などの特別委員会にも所属できます。

 若手議員や少数会派の議員の場合などは、「常任委員会2つ、特別委員会2つ」で合計4つの委員会に所属していることも珍しくありません。もちろん楽ではありませんが、今回のように国会が寝なければなんとかがんばれます。

 しかし、5月11日は本当に大変でした。衆議院では本会議とともに10の委員会が開かれ、今後の委員会日程を決めるための理事懇談会も多くあったので、1日に3回も質疑に立つ議員までいました。

 さらに、各委員会には理事会もあり、理事職の議員は出席しなければなりません。出席する委員会を選択し、同時刻に開催されている委員会での質疑や採決が重なった場合は質疑時間の調整をお願いし、欠席する場合は代理出席の議員を探してお願いする。これは、すべて秘書の仕事です。

 せっかく調整しても急なタイムスケジュール変更もよくあり、パニックになります。そもそも、複数の質問について質疑の準備や通告をするのは頭の中の整理も大変です。同じ委員会で午前に法案質疑、午後に一般質疑と、2回の質問がある場合などは、同じ省庁と2つの質疑についてやりとりするので、とても混乱します。おかげさまでいい汗をかき、メイクもすっかり落ちてしまいました。

柳瀬氏の不遜な態度に与党から注意?

 その法案審議の合間に、加計学園問題で柳瀬元首相秘書官を追及する参考人質疑が衆参の予算委員会で行われました。NHKで放送されたので、ご覧になった方も多いかと思います。

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