『共謀』が明らかにする「ロシア疑惑」の闇

「ロシア疑惑」で粛清の嵐か…ロシア情報部門の要人が次々と不審死の謎


 スティール氏のメモがマスコミによって公開されたのは17年初頭。その前後でおびただしい数のロシア内部の関係者が不審な死を遂げている点も、触れておくべきだろう。

 ミハイロフ大佐が拘束された同月、ロシア情報部門の要人であり、元副首相のイーゴリ・セチン氏の側近として機密情報にアクセスできる立場にいたオレグ・エロビンキン氏が、「心臓発作」で不可解な死を遂げている。その前月には、ニューヨークのロシア総領事館でセルゲイ・クリボフ氏が「屋根から落ちて」死亡している。彼は、情報機関との連絡で使う暗号化コードを入手できる立場にあった。

 ほかにも、ロシア国内で、ヨーロッパで、そしてアジアで、ロシアの機密に触れることのできた立場のロシア人が、射殺や心臓発作によって突然の死を遂げている。

相次ぐ怪死は情報漏洩の「粛清」か

 ロシアで相次いだ拘束や怪死とスティール氏のメモの間に、今のところ明確な関係性は見えていないが、彼らはいずれもスティール氏が接触した可能性のある人物である。そのため、情報漏洩の犯人として「粛清」されたと見る本書の主張は、あながち的外れとはいえないはずだ。

『共謀 トランプとロシアをつなぐ黒い人脈とカネ』は、21世紀最大のスキャンダルとなり得るトランプ氏とロシアの共謀について、それがいつどのようなかたちで始まったのかを、ジャーナリストである著者の綿密な取材によって探っている。

 陰謀や謀略が渦巻く国家間の情報戦で、いったい何が行われているのか。その一幕が垣間見える良書である。
(文=編集部)

※本記事はPR記事です。

BusinessJournal編集部

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