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安倍首相の政治、特に外交はほぼ完璧…病的に安倍批判を繰り返す人々は非論理的

文=八幡和郎/評論家、歴史作家
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 2017年11月20日付朝日新聞は、「女性参政権が新憲法で実現」という人気女性記者の記事を載せたが、女性参政権は旧憲法の下で行われた1945年12月の法律改正で認められ、旧憲法の下で、女性が選挙権・被選挙権を行使した総選挙が2回も行われたのであって、憲法改正とはなんの関係もない。

 そもそも、フランスなどヨーロッパのカトリック系の国も、戦後になってから婦人参政権を認めている。日本は、戦前からヨーロッパ諸国より一歩遅れるくらいのタイミングで選挙権を拡大していていたから、戦争に負けなくとも女性参政権の実現は時間の問題だった。

 これに限らず、旧憲法の下で日本の民主主義は徐々に進んでいたし、戦後改革で行われたことは、ほぼすべて可能だった。旧憲法は現代水準での民主主義を十分に保障はしていなかったが、社会経済の変化に沿ってそれを可能とする枠組みはできていたのである。

 ヨーロッパ諸国では、現在でも日本の旧憲法に似た条文がかなり維持されている。たとえば、イギリスやスペインといった君主国では、首相はだいたい国王の指名によって決まっている。

 いずれにせよ、“ジェンダーの専門家”と称する朝日新聞の女性記者すら、そんな初歩的なことすら知らない。昭和天皇も明治維新の基本方針である「五箇条の御誓文」が示された時から順次進められてきた民主化の流れの中に、戦後の民主化もあることを強調されていたが、民主化の成果をなんでもGHQと新憲法のお陰にしてしまうのは、政治的陰謀というべきだろう。

 そのあたりは、明治維新150年である今年にあって、正しく知ってほしいものだ。

安倍政権にはもっと大胆に改革してほしい

 最後に付け加えておきたいが、私は安倍政権の外交は非常に高く評価しているが、内政については、物足りないと考えている。

 私はもともとヨーロッパ的にいえば穏健左派だし、アメリカ的にはリベラルだが、第二次以降の安倍政権については強く支持している。外交は完璧にうまくいっているし、内政は本来の思想はともかく、現実に行われている施策はどちらかといえばリベラルで穏健なものだから、支持している。

 むしろ、もっと大胆な改革をしてほしいという不満を持っているのだ。野党も、いくらでも安倍内閣の改革への消極性を批判する余地はあるはずなのだが、実際に行っているのは、どうひっくりかえっても政権交代の理由にはなりそうもない「森友・加計問題」に力を注ぐことで、まったく時間の無駄だ。

 森友学園問題は、もともと昭恵夫人の軽率な交友に端を発するプチスキャンダルにすぎないし、加計学園問題は霞が関の岩盤規制に拘泥する守旧派官僚の前川喜平氏がクビになった“照れ隠し”と“復讐心”でつくり上げたというべき砂上の楼閣である。

 文書改竄や虚偽答弁は問題で、野党が「一本取った」のは間違いないが、それ以上のものにはなり得ない。いい加減に、民主党政権時代を正しく反省し、より現実的な国政改革のビジョンを提出してほしいものだ。

 どう考えても、安倍首相は類まれな大宰相だ。しかし、ポスト安倍では必ず安倍ロスに自民党は悩むことになるだろう。野党は安倍叩きより、来るべき安倍ロスに活路を見いだすほうがよほど現実的だろう。
(文=八幡和郎/評論家、歴史作家)

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