渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」
米国、3月に中国の息の根を止める可能性…米中交渉決裂で中国バブル崩壊も
文=渡邉哲也/経済評論家
分断される欧州、英国がEU離脱
ヨーロッパでは、3月に控えたイギリスの欧州連合(EU)離脱が最大の関心事となる。両者の間で離脱協定に関する合意がなされ、いわゆる“ハードブレグジット”は避けられそうな気配だが、イギリス国内の混乱は収束していない。18年12月には、テリーザ・メイ首相に対して保守党党首としての信任投票が実施され、信任票が過半数を得たものの、分断は隠せない状況だ。
また、5月には欧州議会議員選挙が行われ、10月には欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁が任期満了を迎えるほか、総選挙が行われる国も多い。日本とのかかわりでいえば、ルノー・日産連合の問題を抱えるフランスの動向が気になるところであり、支持率低下に悩むエマニュエル・マクロン大統領にとっては勝負の年になるだろう。
いずれにせよ、今年も米中の覇権争いが激化し、その余波が日本やヨーロッパに影響をもたらすという事態が続きそうだ。
(文=渡邉哲也/経済評論家)