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法科大学院制度が失敗、国が抜本的見直しを検討か…「旧司法試験」復活論も

文=小林拓矢/フリーライター
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 本流とされる法科大学院から司法試験というルートがなかなかうまくいかないなか、予備試験から司法試験を受けるというルートが人気のルートとなり、そこから合格する人が多く誕生している。その上、法科大学院の学費は高く、司法試験予備校にもお金がかかる。こうして法曹の人気は低くなってしまった。

法曹養成をどう変えるべきか

 そのようななかで、法科大学院から司法試験に合格するルートをどうするか、という議論は法務省や文部科学省のなかでも行われている。法務省大臣官房司法法制部によると、「省内でさまざまな検討が行われている」ということであり、文科省高等教育局専門教育課専門職大学委員室法科大学院係によると、「法務省とも連携しながら、事務的な検討はいろいろとやっている。意見交換中でまだ決まっていない」とのことである。

 法務省と文科省が、現在の法科大学院のあり方について改革を行う必要があると考えていることは確かだ。ただ、予備試験から司法試験を受けるルートを残してほしいという考えも、法曹職を目指す側にはある。
 
「法科大学院はメインルート、予備試験はサブルート」という方針は、受験生の側からは好まれていないという状況もある。となると、法科大学院から司法試験を受ける現在のルートを改善させるだけではなく、予備試験を昔の司法試験のようにし、司法修習の充実で対応するという方針もあっていいのではないだろうか。

 具体的には、法科大学院コースは法科大学院修了の時期に司法試験を受け、4月に司法修習を開始する。予備試験は「もうひとつの司法試験」に変更して、かつての司法試験と同レベルのものとし、試験合格後に司法修習を開始する。かつての司法試験では再チャレンジ組が勉強して合格していた人も多い。また、大学在学中の司法試験合格を目指す人にもふさわしい。そういった人はこのルートを使う。

 この2本立ての制度にするしか、法曹の人気を回復し、優秀で多様性のある人材を確保する方法はないのではないか。
(文=小林拓矢/フリーライター)

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