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任侠山口組が2019年本格始動……「松本のカリスマ」といわれる武闘派若手組長が直参昇格

文=沖田臥竜/作家
任侠山口組が2019年本格始動……「松本のカリスマ」といわれる武闘派若手組長が直参昇格の画像1定例会を訪れた任侠山口組・織田代表

 任侠山口組において常に最前線に立ち、その武勇を轟かせ続ける組織がある。それは長野県に本部を置く竹内組だ。

 その竹内組の先代である三代目会長を務めていたのが、任侠山口組・織田絆誠代表の右腕とも評されるほどの実力者、金澤成樹前会長 (任侠山口組・副本部長)だ。その金澤前会長が率いた三代目体制から現在の四代目体制に至るまで、若頭の重責を務めているのが百瀬雅樹・二代目金澤組組長なのだが、同組長が1月26日付で任侠山口組の直参へと昇格を果たしたのだ。

「百瀬組長はまだ40代。バリバリの武闘派として長野県下では知られた存在だ。若い頃から数々の武勇伝を残しており、若者の間ではカリスマ的存在だった。松本市では以前から、百瀬組長という越えられない壁があるため、当局サイドが竹内組の動きを掌握するのにも苦労していた。常に当局から警戒対象になっていた人物だ」(地元関係者)

 そんな警察当局が、2017年6月に百瀬組長を銃刀法違反で逮捕。百瀬組長側は一審で無罪を勝ち取るも控訴審、上告審と一審判決が棄却され、実刑判決が下り、近々収監されることになっているという。

「関係者から漏れ伝わってくる話では、この2月上旬が収監予定になっているようで、懲役7年の刑に服さなくてはならないとのことです。その服役を前に満を持して、直参組長へと昇格を果たしたということではないでしょうか」(ジャーナリスト)

 そんな昇格人事が伝えられた翌日の1月28日、任侠山口組では定例会を開催している。

 昨年12月、結成後初めてとなる事始め式は長野県内に本拠を置く石澤組で執り行ったのだが、それからひと月強の期間を置いて実施された今回の定例会は、発足以来重要視しているとみられる兵庫県尼崎市(任侠山口組二代目古川組本部)で開催したのだ。

「この日の定例会では、いつもよりも多くの報道陣関係者が詰めかけていた。同じ日に同市内で、六代目山口組系列の組織がなんらかの会合を持つのではないかという噂も出ていたので、警戒を強めていた」(捜査関係者)

 報道陣関係者が殺到するなか、13時半ごろに織田代表が到着。一斉にカメラのシャッターが切られた。会合場所となった入口には、任侠山口組・池田幸治若頭、山崎博司本部長、金澤副本部長、 前川勝優若頭補佐といった最高幹部と、新たに直参へと昇格を果たした昌道会・矢野剛毅会長と前出の百瀬組長が織田代表を出迎えたのだ。

「会合は2時半から始まり、新たな直参となった2人の組長の挨拶などがあったようだ。いつもと変わったことといえば、会合中に他組織の幹部が一人で訪れ、二代目古川組本部のインターフォンを鳴らし、一瞬緊張感が走ったという話だが、騒動などにはなっていないと聞いている」(某二次団体幹部)

 任侠山口組は2018年3月、指定暴力団として官報に公示された際、同市内にある四代目真鍋組を任侠山口組の主な活動拠点とされ、結果、地域住民の要請により、事務所の使用を禁じる仮処分を受けることになった。

「前回は長野県、今回は尼崎市と会合地を変えているのは、当局に本拠地を特定させないためという狙いもあるのではないでしょうか。発足当時から、紙面などで織田代表が本拠地は定めないとする発言もしていますし、今後も会合地を一定化させない可能性があるのではないでしょうか」(法律に詳しい専門家)

 年末年始の行事を執り行わなかった任侠山口組だが、こうして定例会を開催させ、2019年も本格始動した。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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