秋篠宮さまは11月30日に56歳の誕生日を迎えられ、事前に行われた記者会見の内容が公開された。全体を通じて感じたのは、長女の眞子さんの夫である小室圭さんに対する何となく冷淡な感じである。
というのも、秋篠宮さまが会見中「小室さん」「圭さん」という言葉を一切口になさらなかったからだ。10月26日に婚姻届を出した後に行われた記者会見について尋ねられた際も、
「夫の方については、私も『結婚の段階になった時に経緯などを説明することが大切だ』ということを以前に話をいたしましたけれども、確かに春ですか、文書ではそのことについての説明をしているわけですけれども、やはり私としては、自分の口からそのことについて話をして、そして質問にも答える、そういう機会があった方が良かったというふうに思っております」
とおっしゃり、小室さんを「夫の方」とお呼びになった。
また、小室さんと久しぶりに会われた時の印象やお話しされた内容について問われても、
「まず、会った時のどういう話をしたかについてはここでは控えたいと思います。印象ですが、面会していた時間が20分ぐらいでしたので、何か印象に残ることというのは特に私にはありませんでした。ごく普通の会話をいたしました」
とお答えになっており、あえて無関心を装っておられるように見えなくもなかった。
初めて可愛い娘を嫁入りさせ、しかも結婚後は遠いニューヨークで暮らすことになっている。お父さまとしては当然ご心配だったはずで、娘婿になる予定の男性にいろいろお尋ねになりたかったのではないかと思うが、面会時間がたった20分だったことに驚きを禁じ得ない。
この面会の際に、秋篠宮さまから今年7月に受験した司法試験の出来栄えについても聞かれて、小室さんは「大丈夫です」と答えたと一部で報じられている。だが、結果的に不合格だったので、秋篠宮さまとしては「だまされた」というお気持ちが強く、この時話した内容など思い出したくもないのではないかとゲスの勘ぐりをしたくなる。
もちろん、秋篠宮さまは10月26日の記者会見について「私自身は一方向のものではなくて、双方向での会見という形にしてほしかったと思います」と苦言を呈されている。だが、全体として、そのことに対する怒りや敵意というよりも、むしろ無関心を装う冷淡さのようなものを感じる。
秋篠宮さまは日本一の名家でお育ちになった高貴なお方なので、たとえ怒りや敵意を覚えても、それをむき出しにしてはいけないという抑圧が人一倍強いのかもしれない。ただ、無関心を装わなければ爆発しそうなほど敵意の青白い炎が揺れているような印象も受け、「愛の反対は憎しみではなく、無関心」という言葉を思い出した。
この言葉は、夫婦の冷え切った関係に最も良く当てはまる。相手に何を言ってもムダという諦めに似た気持ちが強くなると、無関心になることで自分の心を守ろうとする。秋篠宮さまの小室さんに対するお気持ちも諦観に近いのではないかというのが私の個人的な見解だ。
こうした諦観は、国民の多くも抱いているだろう。これは当然ともいえる。小室さんは、この連載で繰り返し指摘してきたように、「無自覚型のナルシシスト」であると同時に、罪悪感を覚えず反省も後悔もしない「ゲミュートローゼ」でもあるのだから。
(文=片田珠美/精神科医)