フリーアナウンサーの小林麻耶さんが、4月30日に<一旦アメブロさんをお休みします>と投稿した。実際、小林さんと夫の國光吟氏は、この日を最後にブログ更新をストップしている。
その理由として、小林さんは、
<インターネットの広告が増えているこの世の中で、なぜブログの個人収入を減らされるのでしょうか。(アメブロさんは最近、ブログでの広告をまた増やしました)>
と、アメブロの運営に対する疑問を挙げた。
國光氏も、
<何故かと言いますと、お金を搾取されていると思ったからです。アクセス数とお金の割合が全然合っていないからです>
と主張し、
<アクセスの改ざんだったり、誹謗中傷コメントをわざと公開させられている節があったり、応援コメントを消されるという声が多く、それはそれはとても多く届いたり、いいねが押せませんや応援ポチッとが出来ませんだったり、フォローが勝手に外されていましたという声を沢山頂いていました>
と運営に対する疑念や不満をつづっている。
同様の疑念や不満を小林さんも抱いているようで、
<オフィシャルブロガーは、全てコメントはアメブロ管理です。誹謗中傷を消すためにマンパワーで対応している素敵なアメブロさんだと思っていたのに、まさか、応援コメントまでも、何年も前から消していたなんて腑が煮えくりかえりました。裏切りです。これ以上の裏切りは有りません>
と憤りを隠せないようだ。
被害妄想を抱いている可能性
小林さん夫妻のブログを読んで、お金を搾取されているとか、応援コメントを消されているとかいうことが本当にあるのだろうかと疑問を抱かずにはいられなかった。単に被害者意識が強すぎると片づけられるのか、それとも被害妄想の域に達しているのか。
精神科医としての長年の臨床経験から申し上げると、後者の可能性が高い。この連載で今年3月に指摘したように小林さんは「退行期パラノイア( involutional paranoia)」である可能性が高く、夫の 國光氏とともに“フォリ・ア・ドゥ(folie à deux)”の状態に陥っていると考えられるからだ。
「退行期パラノイア」では、不安と高揚が入り交じった不安定な精神状態になる。最初は何でも邪推し、ちょっとした疑念や不信感を抱くことから始まり、やがて一貫した内容を持つ妄想へと発展することも少なくない。
「退行期パラノイア」によって、さまざまな妄想が出現する。小林さんが妹の麻央さんや神田沙也加さんと会話できると主張していたのは、嘘でなければ、憑依妄想(つきもの妄想)を抱いていたからではないか。憑依妄想があると、霊や神、悪魔や天使などにとりつかれていると本人が本気で思い込んでしまう。周囲がいくら「そんなことはありえない」と言っても、訂正不能である。
今回、搾取されているとか、応援コメントを消されているとか主張しているのは、被害妄想のせいではないかと疑いたくなる。しかも、困ったことに夫の國光氏も被害妄想を共有しており、“フォリ・ア・ドゥ(folie à deux)”の状態に陥っている印象を受ける。
厄介なのは、小林さん夫婦が攻撃的になり、怒りの矛先を今度はアメブロを運営するサイバーエージェントの藤田晋社長にまで向けていることだ。以前は、小林さんの義弟である歌舞伎俳優の市川海老蔵さんに怒りの矛先が向けられていたが、方向転換したのだろうか。
結果的に小林さん夫婦はどんどん孤立しつつあるように見える。この2人はアメブロをやめ、メディアプラットフォームの「note」で月額550円の有料記事を配信するとのことだが、どれだけの人が有料会員になるか予測不能だ。有料会員が増えず、収入が激減して経済的に困窮する事態になれば、「有料会員になりたい人がいるのに、邪魔されている」「妨害されている」などと訴えて被害妄想が悪化するのではないかと危惧している。
(文=片田珠美/精神科医)