米軍横田基地(東京都福生市)で22日に開催された『日米友好祭 横田基地フレンドシップフェスティバル2022』。航空祭の最中にバイデン米大統領を乗せたエアフォースワンが到着するなどにぎわいを見せた。また、同祭では航空自衛隊の最新鋭ステルス主力戦闘機「F-35A」が初めて一般公開され注目を集めていた。ところが、この戦闘機を「近く」で撮影するのにはある“ルール”があったそうで……。
22日、Twitter上では横田F-35Aの機体に吊り下げられた「アンケートにこたえるとF-35Aを近くで撮れる! 中学生~32歳の方限定」という注意書きが注目を集めていた。Twitter上には「おじさん、おばさんにも見せてくれよ!」「33歳がオタを卒業すべき年齢ということか。」「おじさんだって近くで撮りたいよね…」(いずれも原文ママ)などと、ファンたちの悲哀にみちた声が上がっていた。
ただ、現地で写真を撮影していた複数のTwitterユーザーによると制限されていたのはあくまで「近く」で撮影する場合で、規制線の外から機体全体を写すことは誰でもできたようだ。
インターネット上では、なんの年齢制限なのかという疑問の声と合わせ、「自衛隊の入隊の年齢制限のためでは」などという憶測の声が上がっていた。この年齢制限にはどんな意図があったのか。
高齢者は部隊見学に殺到も若年層に広まらない認知
航空幕僚監部広報室を経て、航空自衛隊横田基地広報班の担当者に聞いたころ、「F-35A」の撮影の仕切りは、自衛官の募集を担う自衛隊東京地方協力本部が行っていたという。同本部の広報担当者は次のように説明した。
「若い方に自衛隊の活動や装備に興味を持っていただこうという趣旨でアンケートを取っていいました。部隊見学などもアンケートで案内しておりまして、自衛隊の認知が若年層に薄いという現状にあります。高齢の方は応援して下さる方が多く、黙っていても見学の応募が高齢の方からたくさんあります。そんな中、全年齢層に広報していこうとするのであれば、若年層の方に対して機会を作りたいというのが私たちの考えです。
今回の撮影ルールでは(機体自体を撮影することは可能で、あくまで接写ができないだけで)隠しているわけではありません」
少子高齢化で一般企業も若い人材の不足が慢性化し始め、取り合いになっている。自衛隊もまた、その影響を色濃く受けているようだ。
(文=Business Journal編集部)