秋篠宮家の長女、眞子さんの夫である小室圭さんは、7月26日と27日の両日、ニューヨーク州司法試験に3度目の挑戦をするらしい。その小室さんに迫る「10月危機」について「週刊文春」(7月7日号/文藝春秋)が報じている。
「文春」によれば、昨年7月に実施された試験では、初受験者の合格率が78%だったのに対して、再受験者はわずか18%だったという。しかも、再受験者に限れば、だいたい2月試験よりも7月試験のほうが合格率は低く、ほぼ20%台で推移しているらしい。
普通に考えれば、これは当然かもしれない。アメリカでは通常5月にロースクールを卒業した学生が7月に司法試験を受けるので、優秀な人はおおむね初受験で合格するはずだ。この試験に落ちた人が、翌年2月に再受験し、それにも失敗したら小室さんのように7月に3回目の試験に挑戦するわけだから、再受験者の合格率が徐々に下がっていくのは当たり前だと思う。
しかも、「文春」によれば、3度目の試験に落ちた場合、現在の勤務先であるローウェンスタイン・サンドラー法律事務所から解雇される、もしくは給与を大幅に減らされる可能性も十分考えられるという。おまけに、ニューヨークはハイパーインフレに襲われており、とくに家賃は昨年と比べて33%も上昇したらしい。そのため、昨年11月に現在のマンションで暮らし始めた小室夫妻が10月に大幅値上げに見舞われる可能性は高いといえる。
このように客観的に見ると小室夫妻に迫る「10月危機」はかなり切実なように思われる。だが、「Daily Mail」電子版に6月8日に掲載されたこの夫婦の写真を見ると、危機感も切迫感も感じられない。
つかの間の休息なのかもしれないが、夫の圭さんは、果たして死に物狂いで勉強しているのだろうかと疑いたくなる。
本当に国際弁護士の資格を取得したいのか
危機感も切迫感も伝わってこないのは、この夫婦が経済的に切羽詰まった状況にあると感じているわけではないからかもしれない。圭さんも「自分が何としても司法試験に合格して生活費を稼がなければ」と思っているわけではないのではないか。実際、「女性自身」(7月12日号/光文社)によれば、圭さんは知人に「当面、お金のことは心配ありません」と語っているそうだ。
なぜ心配ないのか疑問だが、もしかしたら以前この連載で指摘したように、上皇ご夫妻をはじめとする皇室からの“ロイヤルサポート”を期待できるからかもしれない。
こうした“ロイヤルサポート”は金銭的支援だけではないだろう。眞子さんが「私もMET(メトロポリタン美術館)で日本美術のすばらしさを伝えられるような展覧会を開きたい」と美術関係の知人たちに語っていたと「女性自身」で報じられている。皇室が所蔵する美術品を三の丸尚蔵館から借り出すことは、元内親王であれば簡単なのではないか。また、眞子さんが総裁を務めていた日本工芸会は、重要無形文化財保持者、つまり“人間国宝”を中心に組織されているということなので、そういう方々の名品をMETで展示することもできるかもしれない。
そうなれば、眞子さんがMETから報酬を受け取ることも可能になるだろうから、夫の圭さんの収入に依存する必要がなくなる。もちろん、司法試験の合否に一喜一憂しなくてもよくなるわけだ。
もっとも、こういうやり方は「皇室を飛び出した後もなお“ロイヤル特権”に依存している」という批判を招きかねない。それよりも私が心配するのは、「“ロイヤルサポート”で何とかしてもらえる」と圭さんが思っている限り、試験勉強に必死で取り組むことができないのではないかということだ。
そもそも、圭さんは本当に国際弁護士の資格を取得したいのか、疑問である。むしろ、眞子さんの「海外に拠点を作ってほしい」という欲望、つまり“他者の欲望”を満たすためにフォーダム大のローススクールに留学したように見える。こういう人にとって、法律が本当に学びたいことなのだろうか。
そのうえ、「どうせ何とかしてもらえる」という甘い認識がある限り、いつまで経っても司法試験に合格できないのではないかと危惧せずにはいられない。この危惧が杞憂に終わることを祈るばかりである。
(文=片田珠美/精神科医)