今年7月の選挙で当選した熊野正士参議員院議員(57)=比例代表=が、“知人女性にセクハラ行為をした”との疑惑が週刊誌で報道されている問題で、熊野氏が所属する公明党は8日、公式Twitterアカウント上で「週刊文春」(9月15日号)や「週刊新潮」(同)の報道内容を否定する追加見解を発表した。同党は7日も公式見解を発表している。
8日の発表では、文春、新潮による”山口那津男代表と北側一雄副代表が熊野氏のセクハラを知りながら、7月の参議院議員選挙に臨んだ”などという趣旨の報道について、「全くの事実無根」「断固抗議する。今後、出版社に対して法的措置をとる」と批判した。
<週刊誌報道に対するコメント>
— 公明党 (@komei_koho) September 7, 2022
昨日のネット報道に続き、わが党所属国会議員への週刊誌報道に対して、党幹部の対応の経緯等、党本部としてコメントを発表しました。 pic.twitter.com/EHlbbSzS7X
発表によると、「同記事の中にある熊野議員と当該女性とのLINEのやりとりをはじめとするセクハラ行為について、山口代表、北側代表が参院選前からしっていたかのような記事内容は、まったく事実に反するものであります」とし、被害女性と熊野氏が仕事上でつきあいがあったことなどについて経緯を説明。その上で、以下のように述べている。
「本年4月26日に、熊野議員から当該女性に深夜、電話した件について、北側副代表が熊野議員に確認したところ、飲酒していて発言内容は明確に覚えていなかったものの、深夜に電話したことは認めたため、北側副代表は熊野議員を厳しく叱責しました」
「さらに、北側副代表は当該女性からも、熊野議員から深夜に電話を受けたと聞きましたが、その時の詳しい電話の内容までは聞かされていませんでした」
「また、北側副代表が当該女性に電話をし、山口代表に代わったのは、当該女性から山口代表と話したいと当初から申し出があったためです。山口代表は、熊野議員が当該女性に深夜に電話をし、ご迷惑をかけたことに対しお詫び申し上げたところです。山口代表は、当時、週刊誌報道にあるセクハラの件は全く聞いておりませんでした。なお、記事にある『それが表に出ると議席が・・』との発言をした事実は全くありません」(以上、すべて原文ママ)
「セクハラ・アルハラの可能性を本当に予見できなかったのか」
追加で出された党の公式見解について、東京都八王子市在住の創価学会員の20代女性は次のように語る。
「『熊野氏が深夜に女性に電話したこと』ことは認識していたということですが、それって『明らかにその女性と人間関係のトラブルが発生していること』自体は認識していたということですよね。『飲酒していたから覚えていない』はアルハラやセクハラ加害者の常套句じゃないですか。セクハラ・アルハラの可能性を予見せず、熊野氏以外の関係者に聞き取りもせず、熊野氏を叱責したって問題の解明にも解決にもつながっていないと思います。党として選挙前にちゃんと身辺調査をするべきだったのではないでしょうか」
また公明党所属の女性地方議員も以下のように疑問を呈する。
「熊野氏は医師で女性は福祉関連団体に勤務しています。利用者さんの命や健康を預かる仕事なので、業務上、深夜に電話しなければいけないことがあってもおかしくはないでしょう。今回の発表では『山口代表は、熊野議員が当該女性に深夜に電話をし、ご迷惑をかけたことに対しお詫び申し上げた』とあります。“深夜に電話をかけたことだけ”で、党代表が謝罪するというのは少し違和感があります。
熊野氏が『飲酒していて発言内容を覚えていない』と言っていることからも、まずアルハラやセクハラを疑うべき案件です。最大の問題点はセクハラの具体的な事実を党が認知していたかどうかではなく、国政選挙前の大事な時期にセクハラ・アルハラの可能性が高い案件が生じているのに、党がきっちり調査をし、解決しなかったことに尽きると思うのですが」
(文=Business Journal編集部)