世間を騒がせた海賊版サイト「漫画村」の運営者だったとされる星野ロミ氏が自身のTwitterで出所を報告し、2ちゃんねる開設者の「ひろゆき」こと西村博之氏が「合法の『漫画のNetflix』を作っては」と新規事業を提案したことが話題になっている。
「漫画村」は人気漫画や雑誌、写真集などを無料で閲覧させていた海賊版サイトで、アクセスの大半は日本からだったが、海外掲示板などに違法アップロードされた画像のリンクを収集しているだけで運営サーバーも国外にあることから「違法ではない」と主張。しかし、タダ読みされた被害額が3200億円以上と試算されるなど被害が拡大したことで社会問題となり、政府は「特に悪質な海賊版サイト」として名指しして取り締まりを強化。2019年に星野氏は著作権法違反の容疑などで逮捕され、懲役3年などの実刑判決を受けていた。
星野氏は5日、自身のTwitterで「出所しました。漫画村の事件で服役してました。フィリピンで捕まってから長かったー」と出所を報告。プロフィール欄では「高校卒業後すぐに個人事業主としてアフィリエイターとなり、海外法人を複数持ち10億稼ぐも自身の関わる漫画村が巨大になりすぎた事で社会問題となり、国際指名手配されフィリピンで逮捕。模範囚として仮出所が認められ現在はシャバにいます」などと自身の経歴をつづっている。
小学館、集英社、KADOKAWAの3社から計19億円以上の損賠賠償を求める民事裁判を起こされているという星野氏だが、出所した現在は「無職」とのこと。7日には「無職ですがそろそろ働こうと思います。今後俺にどんな事して欲しいですか?漫画村作った罪で有罪になったので就職はできません」とアンケートを募り、フォロワーからの投票は「漫画紹介YouTuberになってざんげ」が最多となった。
これに対して、ひろゆき氏は「ガチで合法の『漫画のNetflix』を作るというのはどうすかね。。」と提案。ひろゆき氏は星野氏が有罪判決を受けたことに「悪いことをしたのは同意」としつつ、以前から漫画村のシステムやプログラムの運用法に対しては「結構優秀だと思う」と評価する発言をしていた。技術や発想力はあるのだから、合法の範囲内で便利なサブスク漫画サービスを作ってはどうかという星野氏への助言なのだろう。
しかし、星野氏はサイトを作らなくとも「お金持ち」になれそうだという。星野氏は同日に「出所して1週間未満で50件以上仕事のオファーが来て、幻冬舎の有名編集者 箕輪厚介さんから本出さないかと提案され、登録者100万人以上のYoutuberから依頼が来た。漫画村のマスコットキャラ風に言うなら漫画家さんと警察が無料で広告してくれたおかげでお金持ちになれそうです!!」とツイート。一連の騒動によって知名度が高まり、大金を稼げそうだと皮肉をこめて言い放っている。
「漫画版ネトフリ」に賛否両論
ただ、ひろゆき氏が提案した「漫画のNetflix」をやってはどうかという提案は反響を呼び、ネット上では「漫画村はインターフェイスの使いやすさが評価されていたから、合法サイトでやっても成功するかも」「メジャー作品もあって読み放題なら、月2000~3000円でも全然入りたい」「出版社関係なく作品がたくさんそろってる漫画のサブスクってないから作ってほしい」などと好意的な意見が寄せられている。
その一方で「この人が漫画サイトやっても、漫画家や出版社が集まらないでしょ」「単行本が売れてる作家にとってはメリット少なすぎて作品が集まらないのでは」「再販制度との兼ね合いとか、出版系はいろいろ問題が多そう」などと疑問視する声もあり、賛否両論となっているようだ。
いずれにしても、自由の身となった星野氏が今後どんな活動をしていくのか、ひろゆき氏をはじめ多くのネットユーザーの注目を集めることになりそうだ。