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腐敗する警察 批判者を逮捕状なしで暴行・連行・監禁…逮捕、懲戒免職される警官続出

文=林克明/ノンフィクションライター
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●特定秘密保護法の差し止め訴訟

「警察腐敗の追及」「記者クラブ批判」に続いて、「世界の情報ヒーロー100人」に寺澤氏が選ばれたもう1つの大きな理由は、昨年12月に成立した特定秘密保護法の違憲確認と施行差し止めを求める訴訟を提起したことにある。

 寺澤氏らの呼びかけにより、43人のフリーランスジャーナリストたちが原告になっている裁判だ。この点について寺澤氏は次のように述べた。

「昨年12月に特定秘密保護法が成立し、今年12月に施行されるといわれています。この法律では、役所が特定秘密と指定した情報について、新聞記者を含むジャーナリストが取材しようとすると、情報提供者を含めて最高懲役10年という重罰が科せられるものです。

 何が秘密かはまったくわからないので、ふつうの取材行為をしていて、突然、警察や検察から秘密保護法違反だと逮捕される危険性があるわけです。つまり、政府や役所の発表のみ報道していれば大丈夫だともいえます。

『取材には配慮する』という一文が入っていることも、実は問題です。その対象となる『取材に従事する者』に、記者会見にも参加できず裁判資料も得られないフリーランスが入らないことは明らかです。

 さらに『著しく不当な方法の取材はダメ』で正当な取材でなければならないという一文についても、正当な取材とは、役所が提供した資料を使ってそのとおりに記事を書くということになります。

 このような法律が施行されてしまうと取材の自由、報道の自由が侵害されるのは明らかだし、とりわけフリーランスは、いつ捕まってもおかしくない」

「これは明白に憲法違反で、差し止めを請求する裁判を今起こさなければならない」として、3月28日に東京地裁に提起した。

 この裁判の見通しはどうか。

「日本では、“この法律は憲法違反だから差し止めろ”と要求する裁判は認められていません。秘密保護法違反で逮捕された人が、『秘密保護法は憲法違反だから、私は無罪です』と主張して初めて判断してあげましょう、というのが最高裁判所の姿勢だからです」

「世界の情報ヒーロー100人」に日本のジャーナリストが選ばれたことは、そのまま現在の日本が、いかに報道の自由・言論表現の自由の危機にあるかを表しているといえるだろう。

 原告団は、6月25日11時開廷の東京地裁803号法廷・第1回口頭弁論に1万人傍聴(法廷の傍聴席は約40席)を呼び掛けてキャンペーンを実施している。

宛先:谷口豊裁判長(東京地裁民事第38部)
秘密保護法違憲訴訟を傍聴します!

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