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●抜け穴だらけの法改正
ストーカー事案が増加の一途をたどっていることから、13年6月に連続して電子メールを送信する行為が規制対象に追加されるなどの改正が行われたが、同年10月には東京都三鷹市で女子高生がインターネットで知り合った男性に殺されるといった事件も起きた。
連続して電子メールを送信する行為は1号の「つきまとい等」に追加されたものの、この規定は電子メールのみを対象としており、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などによるメッセージ送信は規制の対象外となっている。また、現行法では相手の住居付近を「見張り」、または住居へ「押しかける」ことは規制されているが、相手の住居付近を「徘徊」するような行為は規制対象となっていない。
さらに、マンションの住人間や隣家同士のトラブル、職場でのトラブルなどによる押しかけや無言電話といったストーカー行為は、ストーカー規制法が「恋愛感情などの充足を目的として行われる一定の行為」を対象としているため、規制対象外となっている。
また、ストーカー規制法の刑罰は6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金と、他の刑法犯(例えば、住居侵入罪は3年以下の懲役または10万円以下の罰金、脅迫罪は2年以下の懲役または30万円以下の罰金など)と比べて懲役期間が短いため、有罪となっても再犯の恐れがある。
警察庁ではストーカー行為の範囲の拡大や罰則の強化などについて検討を進めているが、目まぐるしく変化するネット社会や犯罪態様に適応し、ストーカー行為を有効に規制する手立てはみつかるのだろうか。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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