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東聖薬局も「メディセオは落札品目が少なかったこともあって、入札競争に失敗したんです。だからといって、その腹いせに、我々が長年かけて信頼を築き上げてきた中央病院の隣への新薬局進出に加担するとは、中央病院の患者を混乱させるだけです。人の命を預かる薬品卸の会社がやることではありません」と戸惑いと憤りを見せる。
一見、複数の薬局による競争関係があるほうが患者にとってメリットをもたらすように思えるが、「新薬局で、知らぬうちに高いクスリを買わされていたり、病院との関係性が浅い薬局では、処方医と薬剤師で言うことが異なるケースが出てきたりと、患者を惑わせる可能性は高い。過当競争の結果、東聖薬局のような地域密着型の店舗が潰れることになれば、コミュニティに対する影響も計り知れません」(前出の製薬会社社員)との見方もある。事実、新薬局側は、現時点で相模原中央病院に対して開店の知らせや挨拶もしておらず、病院側から不信感を持たれているという。
こうした問題は今回のケースにとどまらず、全国各地で、「商売ありき」で大手薬品メーカーや卸会社のバックアップを受けた薬局チェーンによる、地域密着型の個人薬局潰しが起こっているという。弱者である患者にとって、薬品を提供する側が果たすべき役割とはなにか? “薬局の倫理”が問われている。
(文=本多 圭)
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