大手の生命保険は買ってはいけない…生命保険“神話”で数百万円損する日本人
生命保険との付き合いはほどほどにして、本当に必要なものだけにしぼる
生命保険には、「掛け捨て」と「貯蓄型」があると言われてきました。しかし、以前にもお話ししたように、今や「貯蓄型」は選ぶべきではないのです。
生命保険料を計算する元になる金利(予定利率)が、2017年4月に史上最低の0.25%になりました。ちなみに30年前は5.5%、20年前でも2%でした。こうした予定利率の低下は、貯蓄型商品と呼ばれる終身保険や養老保険の保険料が大きく値上がりしていることを示しています。
かんぽ生命で問題になった、古い商品から新しい商品への「乗り換え」や、大手生保が行っている同様な手続きの「転換」という販売手法には気をつけなければなりません。なぜならば、これらの手続きはすべて、安い保険料の商品から高い保険料の商品への切り替えだからです。
販売する側は、契約高の維持だったり、手数料の確保だったりをめざしていますから、顧客本位ではなくても、こうした販売手法を展開しているのです。過去に契約した比較的予定利率の高い商品を持っている人は、乗り換えや転換という手法には、よくよく注意しなければいけません。
そうした生命保険販売の現状において、みなさんが取るべき生命保険購入の賢い選択とは、自分たちにとって最低どんな保障が必要かを見極め、そのための商品は、「掛け捨て」のものに限るということです。
掛け捨てならば保険料は安いに越したことはない
多くの人は気がついていませんが、大手生保の死亡保障の掛け捨ての商品のコストは、30代、40代の人にとっては、ときとして3倍も4倍もする高い商品なのです。
図表は、30歳男性が、保険期間10年の定期保険2,000万円を契約した場合の各社の保険料比較です。同じ品質でこれだけ値段の違う商品を多くの人が買っているのは、生命保険に特異な現象で、どう考えても異常なことです。
生命保険は販売員の人柄で買うものではない
昭和の時代は、まだ保険会社の数も今ほど多くなく、どの保険会社の商品でも保険料に差はありませんでした。そうした時代ならば、販売員の人柄で生命保険を購入するということもあってよかったと思います。