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山崎俊輔「発想の逆転でお金に強くなる『お金のトリセツ』」

同じ会社の人同士、なぜ老後資産&年金に数倍の差?投資しないなど「あり得ない」現実

文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表
同じ会社の人同士、なぜ老後資産&年金に数倍の差?投資しないなど「あり得ない」現実の画像1「Thinkstock」より

普通に働く会社員ほど投資をするべき理由は2つある

 今回取り上げるテーマは「投資」です。今回特に考えてみたいのは、「投資は会社員に必要なことか」という視点です。

 会社員の多くは「投資はズルいこと」「仕事に専念することのほうが大事」と思っているはずです。

 前者は誤解です。まともな投資は社会を発展させると同時に自分の懐も豊かにする仕組みです。投資をフェアに行いながらお金を増やしていくことは十分に可能です。

 後者は間違いではありませんし、仕事を軽視した投資は避けるべきですが、だからといって投資をしない理由にはなりません。
 
 頭を切り換えてみると、会社員ほど投資を行うほうがいいシンプルな理由が、実は2つあります。その理由を知れば、あなたのお金の置き所を決める選択肢として、投資を組み入れるべきだと考えるはずです。

賃金は上がらず配当は上がるが、それは株主しかもらえないお金である

 私たちの賃金がなかなか上がらない時代です。ようやく賃上げが進む流れかなと思ったらまた株価が下がっているため、今年4月の昇級は微妙な雰囲気になってきました。中小企業の場合だと、ここ数年も据え置きだったという会社も少なくないはずです。

 こんなご時世にどんどん会社が払っているのは、「株主への配当金」です。上場企業の配当金は年々増え続けており、2月7日付日本経済新聞によれば、株主の配当利回りは株価に対して平均2.05%だそうです。預金金利が0.025%という世界に、2%です。80倍の金利差ということになります。

 もちろん株価が下がればどんな高利回りも価値が下がりますが、企業が配当を下げる傾向はあまりありません。そしてこの配当は「株主」だけがもらえるお金なのです。

 このままでは、会社に金を貸して利息を得ている銀行などがさらに配当ももらっていく、ということになります。こうした金融機関は企業の大株主でもあることが多いためです。

 私たちは「株主兼会社員」になることで、賃金が伸びなかった分のしわ寄せのひとつを回収することができます。自分の会社の業績が悪い時でも、他業種の業績好調な会社から配当をもらえることもあります。そして、銀行預金より高い利回りを得る資産形成を行うことが可能になるわけです。

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

1972年生まれ。中央大学法律学部法律学科卒業。企業年金研究所、FP総研を経て独立。個人の資産運用や老後資産形成のアドバイスが得意分野。日経新聞電子版やYahoo!ニュースなど多数連載を持つ。月間PVは200万以上。
フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャルプランナー
financialwisdom

Twitter:@yam_syun

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