結婚や離婚は、人生の大きな節目のひとつであるが、近年の特徴として、婚姻件数は減少、離婚件数は増加傾向にある。
最近では、「結婚するつもりはない」という“嫌婚派”なる人々も増えているというし、筆者のところへのご相談も“おひとりさま”あるいは“おひとりさま予備軍”が多くなってきたなあ、という印象がある。
離婚件数は最近も微増が続く
統計によると、平成27年の離婚件数は22万6,198組で、前年の22万2107組より4,091組増加。離婚率(人口千対)は1.80で、前年の1.77より上昇している。ただ、バブル崩壊後には離婚件数が大きく増えるなど、その増減には波がある。
離婚件数の年次推移をみると、昭和39年以降毎年増加を続けていたが、昭和59年からは減少。平成に入ってから再び増加傾向だったものの、平成14年の28万9836組をピークに減少し、落ち着きをみせていた。
しかし、同居期間別に離婚件数をみると、平成27年はすべての同居期間で前年より増加している。
熟年離婚の最大のハードルは「お金」の問題
そこで、今回は「熟年離婚」について注目してみよう。
熟年離婚とは、中高齢の離婚と思っている人も多いが、おおむね同居期間20年以上など長期の結婚生活の後の離婚をいう。したがって、高齢者同士でも、同居期間が短ければ熟年離婚とはいわない。
熟年離婚の理由はさまざまだ。リタイアした夫が自宅にいることが妻のストレスになり、それが離婚のきっかけという人。以前から離婚を考えていたが、子どもが成人するまで、あるいは退職金をもらうまで我慢していたという人など。
先日、ご相談を受けた既婚女性A子さん(50代前半)は、5歳年上のサラリーマン夫とは何十年も家庭内別居状態で、以前から離婚を切り出されてもいるという。しかし、A子さん自身はカラダが弱く病気がちで経済的に自立が難しい。さらに世間体や子どものことなどを考えて、ひたすら耐える毎日だ。