投資による利益に発生する税金負担を「なし」にする方法
今回はNISAで税金が安くなる方法について、女性公認会計士コンビ、先輩の亮子と税務に強い後輩の啓子が解説していきます。
啓子「うーん」
亮子「何を悩んでいるの?」
啓子「NISAでどの株を購入しようかな、と」
亮子「リスクもあるけど大きく儲かる可能性もある株に賭けるか、元本保証に近い商品で堅実に投資をするか、どちらかが良いといわれているみたいだよね。ちなみに、私は前者を選択した」
啓子「結果はどうですか?」
亮子「今のところ、利益が出ている状態。このままいけばNISAの非課税の恩恵を受けられそう。でも、実は少し前まで損失を抱えていて、『NISAの恩恵を受けられないかもしれない』と講演などでも話をしていたの」
啓子「確かに、NISAには税金に関する恩恵もあるけれど、デメリットもありますからね。いまさら感はありますが、せっかくなのでNISAの概要をまとめてみます」
NISAとは
NISA(ニーサ)とは、少額投資非課税制度の愛称で、個人の資産運用を応援する制度です。イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルとした制度のため、日本版(Nippon)ということで「NISA」という愛称がつけられました。NISA口座を開設して、その口座で資産を運用した場合には、発生した利益に対して税金がかからないという仕組みです。
通常、投資によって得た利益に対しては税金が課せられます。たとえば、上場株式の売買によって10万円の儲けが出た場合、まるまる10万円を受け取ることができるわけではなく、手取りは10万円から税金2万円(=10万円×20%)を差し引いた8万円となります。なお、2037年12月までは復興特別所得税が課せられますので、税率は20%ではなく20.315%となります(以下では、計算しやすいよう20%として進めてまいります)。
さて、NISAがスタートしたのは2014年。今のところ2023年までNISA口座を開設することができます。毎年1月1日から12月31日までの1年間、NISA口座で一定額まで運用することが可能です。制度がスタートした当初は1年間の非課税枠は100万円でしたが、現在は120万円に拡大されています。