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文部科学省の調べによると、幼稚園から大学までオール公立で約742万円、オール私立で約2,079万円と、およそ2.8倍もの差があり、公立・私立の選択で教育費総額は大きく変動します。また、高校、大学と子供の年齢が上がるにしたがって、教育費負担も上昇傾向があり、40~50代は教育費負担の大きい世代ともいわれます。この時期は長い人生のなかでも、なかなか貯蓄形成しにくい期間といわれたりするのも教育費の存在が大きいわけです。
また、子供は着実に進級が見込まれることから、特に私立を希望する場合、教育費の準備には計画性が大事です。準備方法としては、学資保険などなんらかの積立が推奨されることも多いです。
相談現場では「なんとか子供を大学まで行かせたい」と、家計改善に奮闘する親御さんをたくさん見てきました。大学・大学院卒と高卒では、正社員(男性)の生涯賃金に6,200万円以上の差(注)があるともいわれ、子供の将来を案じて、大学までは進学させたいと考える方が多いようです。
マイナビが行ったアンケート調査によると、大学生が大学に進学した理由のトップは「就職のため」で、3割を超えます。「学歴のため」が第3位。第2位は「学びたい学問・資格取得のため」でした。学びたい学問などまったくないまま大学に進学した私としましては、立派な若者が増えているものだと感心させられる一方で、やはり就職を意識しての進学が多いのが実態のようです。
では、今後はどのような変化が予測できるでしょうか。今の教育をめぐる法改正や政策の方向性を確認しながらみていきましょう。
法改正・政策の方向性
アベノミクスが掲げる日本経済の「成長戦略」のなかで、政府は女性の社会進出を推進しています。ところが、働く女性が増えても出産に伴う退職の割合はいまだに高く、労働力確保や出生率アップのため、女性の働きやすい環境づくりは喫緊の課題となっています。
「第15回出生動向基本調査(夫婦調査)」(2015年)によると、理想の子供数を持たない理由の圧倒的トップは養育費や教育費といった経済的負担。仕事に差し支えるというのを理由に挙げる女性も少なくありません。教育費がかかるから働こうにも、子育ては就労の足を引っ張るとは、なんとも皮肉な結果に思えます。
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