電子決済サービス「PayPay」が打ち出していた「100億円あげちゃうキャンペーン」の突然の終了に、ユーザーから困惑と不満の声が相次いでいる。
ソフトバンクとヤフーによる合弁会社のPayPayは同名の電子決済サービスを10月から開始、12月4日からは「100億円あげちゃうキャンペーン」をスタートさせた。これは、PayPay決済を利用すると利用額の20%が還元されるというもので、還元率の高さから大きな注目を浴びた。また、40回に1回の確率で全額還元される特典も含まれているほか、Yahoo!プレミアム会員およびソフトバンクやワイモバイルのスマートフォンユーザーは全額還元の確率が上がることもあり、大きな話題となっていた。
キャンペーンは還元額が100億円に達するか2019年3月31日になれば終了するとされていたが、12月13日にいきなり終了が発表され、たった10日間で終わりを告げた。
PayPay決済はファミリーマート、さらにビックカメラやヤマダ電機などの家電量販店でも導入され、キャンペーン開始当初から店頭で混乱が生じるなどのトラブルが伝えられていた。ツイッターユーザーからは現場の状況を報告する投稿が相次ぎ、「レジに長蛇の列ができていてなかなか進まない」「店員がシステムを把握しきれておらず時間がかかっている」「PayPay決済そのものを知らなかった人が店員に質問攻め」といった声があがる事態に。また、キャンペーンが開始された4日には利用者が殺到したことでシステム障害が発生し、接続障害や二重決済といったトラブルも相次いだ。
終了が発表された13日、PayPayユーザーをさらに混乱させたのが、ツイッターに投稿されたキャンペーン情報のリークだ。13日の午後、あるツイッターユーザーが、キャンペーンが同日23時59分に終了することを伝える書類の画像を投稿すると、拡散されて話題になった。
それがPayPayユーザーを刺激したのかは定かでないが、同日夜に再びシステム障害が発生した。18時頃からPayPayへのログインができない事態が相次ぎ、運営元が緊急メンテナンスを開始。約2時間半もの間、サービスの全機能が利用できなくなり、ユーザーからは「勝手にログアウトしてログインできなくなった」「買う直前だったのに、結局あきらめた」と困惑の声が多発した。
そして、PayPayが正式にキャンペーン終了を発表したのは13日の22時頃だ。それによると、還元額が早くも100億円に達したという。しかし、14日以降に利用しようとしていた人たちにとっては、まさに“寝耳に水”だった。ネット上には「来年3月までを予定しておいて、もう100億円が底をついたの? さすがに見通しが甘すぎでは……」「夜の10時に“今日までです”って突然言われても」「次の週末に使おうと思ってたのに……クリスマスも年末年始もこれからなのにアテが外れた」「駆け込みで使おうと思ったのに、ログインできず使えなかった。文字通り使えない」などと、困惑が広がると同時に不満が噴出している。
思わぬ狂騒を生んでしまったPayPayのキャンペーン。一方で将来性に期待する声もあがっており、混乱は生じたものの恩恵を受けたPayPayユーザーが多いのも事実だ。今回の騒動を教訓に、PayPayには新たなキャンペーンを展開してほしい。
(文=編集部)